ノーベル賞を受賞した中村修二氏は日本人なのか

2014年10月14日 18:11

あるAnonymous Coward 曰く、 青色LEDの実用化に貢献したことで知られ、先日ノーベル物理学賞を受賞した米カリフォルニア大学サンタバーバラ校の中村修二氏は、米国籍を取得している。日本は多重国籍を認めていないため、米国籍を取得した中村氏は米国人ということになる。

 しかし、中村氏について「日本人」とする人も少なくない。たとえばNHKニュースでは「日本人研究者3人が選ばれました」と報じられているし、安倍首相も「日本人として20人目、21人目、22人目の受賞を、心からお慶び申し上げます」とのコメントを出している。

 中村氏を「日本人」と呼ぶのは「手柄を日本の物にしたい」的な発想ではないかと思う人もいるだろうが、この背景には日本の国籍法のあいまいな運用があるという(ハフィントンポスト)。

 日本では外国籍を取得しても「国籍喪失届」を提出しない限り、日本国籍はそのまま残されるという。そのため、日本と海外の両方に戸籍が存在する状況が発生するらしい。戸籍法では国籍喪失(=外国籍の取得)から3ヶ月以内に国籍喪失届の提出が義務付けられているそうだが、外国籍を取得したことを日本側が知ることができないため、これも実効性はないという。

 中村氏が国籍喪失届を出しているのかどうかは不明だが、もし出していない場合は国籍法に違反することになる。ただし、国籍法には罰則はなく、それにより米国籍が剥奪されることもない。

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