【アナリスト水田雅展の銘柄分析】セキドは水準切り上げの動き継続、低PBRも支援材料で7月高値試す

2014年10月10日 09:01

  ファッション専門店チェーンのセキド <9878> (東2)の株価は、ラオックス <8202> との業務提携を好感した7月高値180円から140円近辺まで一旦反落したが、その後も水準切り上げの動きが続き、9月以降は概ね150円~160円近辺で推移している。10月3日に発表した今期(15年2月期)業績見通しの減額修正に対するネガティブ反応も限定的のようだ。低PBRも支援材料として7月高値を試す展開だろう。

  12年10月に家電の店舗販売事業から撤退して、ファッション専門店事業に経営資源を集中した。海外ブランド品などを扱うファッション専門店「GINZA LoveLove(ギンザ・ラブラブ)」「スーパーセレクトショップラブラブ」を直営で展開し、前期(14年2月期)末の店舗数は首都圏中心に24店舗である。ネット通販についてはストリーム <3071> と業務提携している。

  中期的な成長戦略として「GINZA LoveLove」のブランディング戦略強化を掲げ、高額のナショナルブランド品、中・低価格帯のプライベートブランド(PB)品、アウトレットブランド品の品揃えを強化している。

  さらに収益力改善に向けて、新規出店と既存店リニューアル、チラシ一新による販促の強化、ネット通販の強化、滞留期間短縮による商品在庫の鮮度アップ、売れ筋商品の機会ロス低減、店舗運営の効率化などへの取り組みを強化している。

  今後の事業展開として小売法人向け商品供給や販売業務委託を強化する方針だ。14年7月にはラオックス <8202> と業務提携した。当社がラオックスに対して高級ブランド品(バッグ・財布など)を提供し、ラオックスが当社に対して高級時計を中心とした宝飾品を供給し、相互の効率的な商品供給体制を確立する。

  10月3日に今期(15年2月20日期)第2四半期累計(2月21日~8月20日)の業績(非連結)を発表し、同時に通期の見通しを減額修正した。

  第2四半期累計は、売上高が前年同期比20.6%減の45億99百万円、営業利益が2億32百万円の赤字(前年同期は27百万円の赤字)、経常利益が2億61百万円の赤字(同6百万円の黒字)、そして純利益が2億31百万円の赤字(同66百万円の黒字)だった。消費増税の影響が想定以上に長期化して大幅減収となり、営業赤字が拡大した。

  通期の業績(非連結)見通しは、前回予想(4月1日公表)から売上高が8億円減額して前期比7.7%減の110億円、営業利益が80百万円減額して同23.6%増の1億10百万円、経常利益が80百万円減額して同58.8%減の40百万円、純利益が40百万円減額して同53.3%減の50百万円、そして配当予想は前回予想(4月1日公表)を据え置いて前期と同額の年間1円(期末一括)としている。

  第2四半期累計は大幅減収で赤字だったが、下期に挽回して通期では黒字を確保する見通しだ。売上面では9月度はほぼ前年並みに回復しているもようであり、ラオックスとの業務提携の効果も期待される。利益面ではPB商品拡販による売上総利益率の改善、人件費や広告宣伝費の見直しによる効率化も寄与する。通期ベースでは営業増益見通しだ。

  株主優待については、毎年2月20日および8月20日現在で1000株以上所有株主に対して実施している。優待内容は、1000株以上所有株主に対して一律「株主ご優待券5%割引券」5枚、3000株以上所有株主に対して「1000株あたり500円のお買い物券+株式数に応じたお買い物券」を贈呈している。さらに2年以上継続保有の株主に対しては「お買い物券」が上乗せされる(詳細は会社ホームページ等で確認のこと)。

  株価の動きを見ると、ラオックスとの業務提携を好感して急騰した7月高値180円から140円近辺まで一旦反落したが、その後も水準切り上げの動きが続き、9月以降は概ね150円~160円近辺で推移している。10月3日に発表した今期業績見通しの減額修正に対するネガティブ反応も限定的のようだ。

  10月9日の終値150円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS3円53銭で算出)は42倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間1円で算出)は0.7%近辺、実績PBR(前期実績のBPS260円59銭で算出)は0.6倍近辺である。日足チャートで見ると足元で25日移動平均線を割り込んだが、週足チャートで見るとサポートラインの13週移動平均線に接近し動意のタイミングのようだ。低PBRも支援材料として7月高値を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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