【木村隆のマーケット&銘柄観察】住友電工は中期計画で自動車用ワイヤーハーネスなどの拡大目指す

2014年8月21日 12:52

  住友電工 <5802> は中国の国家発展改革委員会が、同社について課徴金約48億円を課したと発表した。ただこれ自体は2009年までの行為で、2010年6月からは「競争法コンプライアンス規定」を制定し、態勢を強化している。従って、過去の事案に捕らわれているここは絶好の買い場となろう。

  今期の第1四半期の業績は、売上高6382億円(前年同期比8.7%増)、営業利益218億円(同12.2%増)の好調な決算となった。自動車関連事業が好調に推移し、全体の増収増益に貢献した。通期についても自動車関連の好調、産業素材の伸びなどにより、営業利益1250億円(前期1200億円)の増益が見込まれている。

  同社では昨年スタートした中期経営計画の実現に向け取り組んでいる。まず、自動車関連事業では、ワイヤーハーネスで、自動車の軽量化に寄与するアルミハーネスや環境対応車向けの高電圧ハーネス等の開発・拡販に引き続き注力し、グローバル総合部品メーカーを目指す。東海ゴム工業 <5191> については防振ゴム・ホースにおいて、昨年買収した事業との相乗効果の最大化を図るとともに、グローバルサプライヤーとして世界各地での供給体制を確立していく。

  情報通信関連事業では、収益性を高めるため、光ファイバ・光機器で海底ケーブル用の極低損失ファイバ・アンプ等拡販に取り組むほか、エレクトロニクス関連事業では、携帯機器用FPC(フレキシブルプリント回路)で更なる高精細・極薄化に取り組む。環境エネルギー関連事業では、海底ケーブルでは本年2月と3月の米国・欧州における受注に続き、大型プロジェクトの受注獲得に向け取り組む方針で、中期的な見通しは明るい。(木村隆:日本証券新聞取締役編集局長を経て株式評論家)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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