酒に弱い人は心疾患や高血圧、肥満の可能性が低い?

2014年7月17日 09:00

 「酒は百薬の長」などと言われ、適量であれば体に良いと信じられているが、それは事実ではない可能性があるという。新たに発表された研究論文によると、「アルコール摂取量が普段から少ない人でも、それをさらに減らすことで、心臓血管の病にかかるリスクを低減できる」という(AFPBBニュースBritish Medical Journal掲載論文BioNews)。

 論文では、飲酒の習慣がある人および心臓関連の疾患がある人合計26万人以上を対象にした56件の研究を元に調査を行ったそうだ。その結果、アルコール消費が少なくなるような遺伝子変異を持つ人は、冠状動脈性心臓病リスクは10%低く、血圧の最高値および肥満の可能性も低かったという。

 「アルコール消費が少なくなるような遺伝子変異を持つ人」というのは、突然変異によってエタノールを分解するADH1B(1B型アルコール脱水素酵素)の働きが弱くなっている人を指しているようだ。このような人たちは多くのアルコールが飲めず、二日酔いになりやすい。

 ただ、この結果は統計的なアプローチで得られたもので、なぜそのような人たちの健康リスクが低いのかは明らかになっていない。特定の遺伝子変異を持つ人にだけに当てはまる何らかの要因が存在している可能性もあるという。

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