【木村隆のマーケット&銘柄観察】三菱商事は積極的な株主還元策への転換を評価する動きに
2014年6月16日 12:48
三菱商事 <8058> が本格上昇相場に突き進んできた。各種好材料を得て株価は年初来高値圏に水準を切り上げてきたが、中期的な割安訂正高の動きはまだ序盤戦。本実態再評価の動きが行き着く先はまだかなりの高みにある。
業績好調に伴い、前2014年3月期の配当を従来予想の64円から68円(前々期55円)に増額し、今2015年3月期も前期比2円増の70円に増配する方針を示した。しかも、経営戦略2015では、1株当たり50円の安定配当に加え、連結純利益3500億円を超える部分について少なくとも30%の株主還元を行うことを表明した。
これは同社にとっては画期的な動きである。商社株の場合、資源関連株のイメージが強く、業績悪化の際の配当ダウンに対する懸念が株価の足かせになっていた。今回の措置はそうした不安要素を払拭するもので、高配当利回り銘柄として、新たに認識されていく素地ができたことを意味する。
増配と同時に、発行済み株式数の2.4%にあたる4000万株(金額で600億円)を上限に自社株買いを実施することも発表した。増配、自社株買いといった、同社が株主還元策に積極的な姿勢に転換した動きは、今回の株価上昇が一過性のものではないことを示している。
こうした自社株買いなどにより長期でROEの改善を目指す動きに変わってきたことを評価して、ここ証券会社のレーティング引き上げ、レーティング最上位継続、目標価格引き上げなどが相次ぎ、市場の評価ムードも高まってきている。配当利回りが3.3%に達するうえ、PBR0.7倍、PER8.6倍と、超割安な株価水準をみると、訂正高のスケールは大きい。ここへきて原油価格が上昇に転じてきたことも目先妙味を添える材料である。(木村隆:日本証券新聞取締役編集局長を経て株式評論家)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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