国内株式市場見通し:戻り高値突破へ、日銀会合の押し目待ちに押し目はあるか

2014年6月7日 13:35


*13:35JST 国内株式市場見通し:戻り高値突破へ、日銀会合の押し目待ちに押し目はあるか

■GPIF改革への思惑から15000円を回復

先週の日経平均は上昇。政策期待の高まりを背景に2ヶ月ぶりに節目の15000円を回復した。NISA(少額投資非課税制度)の非課税枠拡大の検討報道のほか、6月中に政府が発表する成長戦略に関心が集まるなか、法人税引き下げや、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)改革に関する相次ぐ報道により、先高期待が高まる格好となった。

GPIFの米沢委員長は現在12%としている日本株の基本比率の大幅な引き上げを検討する意向が伝わったことや、麻生財務相は法人実効税率引き下げについて代替財源の明記があれば来年度から実施しても構わないとの認識を示した。その後も安倍首相がGPIFの資産運用の見直しを前倒しするよう指示していたことが明らかになるなど、米雇用統計の発表を控えているにも関わらず、日経平均は15000円処での底堅い相場展開が続いた。

また、個人の需給環境が大きく改善していることも、相場押し上げの一因になっている。とりわけソフトバンク<9984>とミクシィ<2121>の強い動きが続く中、物色の裾野に広がりがみられている。5月30日時点の2市場信用売買動向では、6ヶ月ぶりの水準に取り組みが改善(低下)したほか、売り方の評価損益率は6週ぶりにマイナスに転じるなど、需給面の改善が見られてきている。

■4月の戻り高値を突破へ

今週は6日の米雇用統計の結果を受けた海外市場の動向が影響することになろうが、予想通りの結果だった。ECB理事会や雇用統計の重要イベントが通過したことで、買い安心感などもあり、NYダウ、S&P500指数は連日で最高値を更新。シカゴ日経225先物は15200円に乗せてきており、週明けの日経平均はギャップ・アップで4月の戻り高値を突破しよう。短期的な過熱感が警戒されている中ではあるが、押し目待ちに押し目なし、といった相場展開になりそうだ。

また、GPIFに関してはベンチマークに「JPX日経インデックス400」を採用することもあり、企業の自己資本利益率(ROE)の引き上げを狙った資本政策を強める動きなどが、投資家のセンチメントを明るくさせている。相対的に出遅れ感の目立つ中小型の高ROE銘柄などを見直す動きが広がろう。

■先物・オプションSQ、金融会合通過後の上振れ意識

経済指標では9日に1-3月の国内総生産(GDP)改定値が発表される。コンセンサスは前期比年率5.7%増と、速報値の5.9%増から下方修正が見込まれている。12、13日には日本銀行が金融政策決定会合を開き、終了後に黒田総裁が会見を行う。既に市場では追加緩和の予想時期を今秋に後退させているほか、年内はないとの見方もあり、現状維持でノーサプライズであろう。

前回の金融会合では、これまでの現状維持での失望売りが出る状況に変化がみられていた。先物市場ではいったんは売り仕掛けの動きがみられたが、その直後から反発の動きが強まっていた。今回は先物・オプション(SQ)が重なることもあり、思惑的な売買が一段と強まる可能性がある。現在の需給環境では、先物・オプションSQ、金融会合通過後のアク抜け的な上振れを意識しておく必要があろう。そのほか、12日には4月の機械受注が予定されている。海外では12日に5月の米小売売上高、13日に5月の中国小売売上高、5月の工業生産などが注目される。

■「E3」開催のほか、W杯開幕に向けたポジティブムード

また、イベントとしては10日にゲーム見本市「E3」がロサンゼルスで開催される。足元ではミクシィ<2121>効果でゲーム株物色が賑わいをみせていることもあり、支援材料になる可能性がある。ソニー<6758>は、新型ゲーム機「PS4」の販売好調で、2014年3月期の家庭用ゲーム機の世界販売台数で8年ぶりに首位に立った。株価は低迷が続いていることもあり、動向次第ではゲーム株への波及がみられよう。また、12日にはサッカーFIFAワールドカップ(W杯)ブラジル大会が開幕する。強化試合では2戦2勝と好調なこともあり、こちらも今後の市場のムードに影響を与えることになりそうだ。《TN》

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