【近況リポート】大幸薬品:前期売上高、利益とも過去最高記録を大幅更新
2014年5月16日 12:37
■『信頼回復と再発防止策の徹底』課題で今期保守的見込みも
大幸薬品<4574>(東1)の14年3月期連結業績は、売上高、利益とも過去最高を記録した。
売り上げ面では、感染管理事業の大幅伸長と医薬品事業の堅調な推移で前の期に比べ33.6%増と過去最高記録を更新し、売上総利益が販売数量増と採算良い製品の販売比率アップが重なり前の期の実績を21億円超上回った。
その結果、営業利益は広告宣伝費など販管費増をカバーし2.3倍の2,590百万円に、円安に伴う為替差益等を計上した経常利益も2.2倍の2,683百万円に大幅増益となり、最終四半期中の本社機能移転に伴う費用等や、繰越欠損金解消に伴う法人税等が増加したが最終純利益は709百万円(68.4%)増加し1,747百万円となった。
【主要セグメント別概況】
☆医薬品事業は、国内向けが止瀉薬市場の停滞、競合他社の伸びが心配されたが、若年層の向け広告宣伝や店頭販促効果で下期中心に『正露丸』『セイロガン糖衣A』が伸び、前期を上回った。
海外向けは、中国、香港市場で『正露丸』『セイロガン糖衣A』が堅調な推移と円安効果で医薬品事業の売上高は518百万円(10.3%)増加した。
☆感染管理事業は、一般用製品では、TVCM露出度アップやドラッグストアなど小売店の店頭販促強化に加え、調剤薬局やホームセンターなど新規販売チャネルの開拓を実施、主力製品『クレべリン ゲル』中心に大きく販売を伸ばした。業務用製品は、「ゲル剤」に加え、デンソーと共同開発した『クレべリン カートリッジ(車両用)』、新製品『クレべリン パワーセイバー』などが好調であった。
■医薬品~若年層へ商品浸透効果で『シェア50%超確保』など増収へ
今期通期連結業績予想は、売上高8,200百万円(前期比17.6%減)、営業利益1,560百万円(同39.8%減)、経常利益1,560百万円(同41.9%減)、当期純利益1,000百万円(同42.7%減)と減収減益を見込んだ。
コア事業では、「医薬品事業」が、国内向けは前期下期に見られた若年層への商品浸透効果の拡大に期待し「シェア50%以上の確保」、また海外向けでは、中国及び香港市場中心に増収を見込み、売上高は、国内向け減を海外向け増加が上回ると見込み、32百万円(0.6%)増の5,600百万円とした。
「感染管理事業」は、消費者庁の指摘に伴う影響を厳しく見込み40.8%減の2,579百万円とした。
当期見込みは、「前期の措置命令(消費者庁:景品表示法・広告表現)を厳しく踏まえ、消費者の『信頼回復と再発防止策の徹底』を中心課題に置き業務展開することが前提条件だけに保守的予想となったが、その分実績での上乗せが期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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