注目銘柄ダイジェスト(前場):ソニー、パイオニア、ミクシィなど
2014年5月15日 11:34
*11:34JST 注目銘柄ダイジェスト(前場):ソニー、パイオニア、ミクシィなど
ソニー<6758>:1679円(前日比-126円)
急落。同社は前日に決算を発表、前期営業利益は265億円で前期比88%減益、今期は1400億円で同5.3倍の見通し。実績値は下方修正水準での着地となった一方、今期は2000億円程度であった市場予想を大きく下回る水準。最終損益に関しては500億円の赤字計画となっている。構造改革費用の積み増しなどが想定比下振れの主因だが、構造改革費用の積み増しは前期業績の下振れ要因ともされただけに、構造改革に終わりが見えないことがネガティブ視される形に。今期の見通しに関しては、スマホやテレビなどに楽観的な要素が残るといった見方も。なお、UBSでは投資判断を「ニュートラル」から「セル」に格下げ。
パイオニア<6773>:217円(同+12円)
急伸。AV機器事業を売却する方針を固めたと報じられている。カーナビなど車載向け機器事業に専念して業績の立て直しを急ぐ方針のようだ。メリルリンチ(ML)では、収益化が見込めないホームAV事業の売却は妥当な判断で、事実であればポジティブサプライズと評価。みずほ証券でも、かつての主力事業の売却という、より踏み込んだ構造改革の動きが出てきたことは評価できるとしている。
ローランドDG<6789>:3880円(同+425円)
大幅続伸。前日に決算を発表、営業利益は61.1億円で前期比4.3倍、今期は69.7億円の見通しで同14%増益の見通しとしている。特に決算数値にインパクトは乏しいが、同時に発表した自社株買いの実施などが好材料視される状況に。ローランド<7944>の保有株売却に伴い、TOB価格3208円で公開買付を実施、発行済み株式数の22.0%に当たる390万株超を自社株買いする。取得株は消却する予定ともしており、株式価値の向上につながるとの見方。また、3Dプリンターの新製品開発加速なども発表、こちらもプラス材料視されている。
サニックス<4651>:1325円(同+93円)
大幅に3日続伸。前日に決算を発表しているが、今期の大幅増益見通しを評価する動きが優勢に。前期営業利益は、従来計画63億円を下回ったものの、前期比2.4倍の45億円となった。今期も同3.1倍の140億円予想、一段と増益率は拡大する方向になっている。四季報予想の68億円などと比較するとインパクトは大きい状況に。太陽光関連事業の急拡大が背景に。
野村HD<8604>:613円(同-11円)
売り先行。クレディ・スイス(CS)では証券セクターの投資評価を「オーバーウェイト」から「マーケットウェイト」に格下げ、株式市場の売買は第4四半期との比較でも低水準と低調な事業環境を受けて、リスクプレミアムを引き上げているもよう。つれて、個別でも、同社のほか、大和証券<8601>、マネックス<8698>、カブドットコム証券<8703>などの投資判断を格下げしている。同社に関しては、セクター内の相対的な位置づけは改善も、外部環境悪化で当面の株価は弱含む可能性が高いとし、「アウトパフォーム」から「ニュートラル」に格下げへ。
パピレス<3641>:1890円(同-228円)
大幅反落。昨日本決算を発表し、今期営業損益は前期比23.9%減の5.0億円、最終損益は22.0%減の3.4億円と大幅減益見通しとなったことが嫌気されている。電子書籍市場では競争環境が激化する中で、中長期的な成長を意図して積極的に先行投資を実施すると。なお、前期営業利益は6.6億円となり、従来予想であった6.1億円を上回って着地した。
アーキテクツS<6085>:1770円(同-230円)
下げ目立つ。今期営業利益は前期比22.8%減の2.1億円、最終損益は同11.2%減の1.3億円と2ケタ減益見通しとなったことが嫌気されている。今期は「建築家情報空間」を開設するほか、ASJアカデミー会員の新規入会数確保のためイベント支援等の販促経費を増額するなど、先行投資の拡大が利益面の重しに。
レーサム<8890>:1136円(同+86円)
買い先行。今期売上高は前期比79.8%増の360.0億円、営業利益は同2.0倍の69.0億円と大幅な増収増益見通しとなったことが好感されている。主力の資産運用事業では、販売と仕入が一体となったフロント体制を強化し売り上げの拡大を図る。四季報予想の今期営業利益は56億円が見込まれており、想定以上の業績拡大見通しが評価されている。
ミクシィ<2121>:6850円(同+1000円)
ストップ高。今期営業利益計画は100億円となり、コンセンサスであった80億円前後を上回る見通しとなったことが好感されている。スマホ向けゲーム「モンスターストライク」のヒットを背景に、課金収入が大きく伸びることが寄与する見込み。同時に、6月30日を基準日として、1:5の株式分割を実施すると発表したこともポジティブ材料視されている。《KO》