【木村隆のマーケット&銘柄観察】オンコリスバイオファーマは2018年までに黒字化目指す

2014年4月23日 12:06

 オンコリスバイオファーマ<4588>(東マ)は値ごろ鍛錬の厳しい動きが継続している。4月14日に発表した今12月期業績の減額修正を契機に、調整色が強まっている。

 今12月期の6月中間決算については、売上げを1400万円から1800万円(前年同期ゼロ)に引き上げ、営業損失は4億2400万円から4億1400万円(同2億9000万円の損失)へ縮小する見通し。

 ただ、4月4日に、HIV感染症治療薬「OBP-601」について、ライセンス先であるブリストル・マイヤーズ・スクイブ(米国)から契約の解除通知を受け、予定していたマイルストーン収入が消滅することになった。

 そのため、通期については、売上げを11億6400万円から3000万円~10億5800万円(前期100万円)へ引き下げ、営業損失は1億200万円から11億4500万円~3億2200万円」(同6億6500万円の損失)へ拡大する、減額修正を行った。

 「OBP-601」については、契約解除となったものの、基本的な薬効は認められているとして、鹿児島大学にて追加実験を開始、エール大学のネットワークを利用して大手製薬企業にアクセスするなど、ライセンス導出に向け活動を積極化している。現時点で確定した事実はないが、今年中に新たな提携契約締結並びに、新提携先からの契約一時金の受領を見込んでいる。今後の推移が注目されるところだ。

 「OBP-601」以外では、腫瘍溶解ウイルスの「OBP-301」の開発が進んでいる。米国、台湾、韓国などで治験実施の承認を得ており、年内にアジア圏で投薬を開始する予定で、2016年には300億円規模のライセンス獲得を目指している。2018年までに黒字化を達成する計画に変更はなく、株価は足元のハードルを乗り越え、次第に中期見通しを評価する動きに転じそう。(木村隆:日本証券新聞取締役編集局長を経て株式評論家)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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