注目銘柄ダイジェスト(前場):ファーストリテ、不動産セクター、ミクシィなど
2014年3月4日 11:34
*11:34JST 注目銘柄ダイジェスト(前場):ファーストリテ、不動産セクター、ミクシィなど
ファーストリテ<9983>:35970円(前日比+490円)
買い先行。前日に2月の月次動向を発表している。既存店売上高は前年同月比0.8%増、4ヶ月連続でのプラス成長となったが、前月の同15.0%からは伸びが鈍化する格好に。ただ、大雪の影響などもあったと見られ、ほぼ想定線といった捉えられ方がなされているもよう。上半期の既存店増収率も会社計画並みの着地となったようだ。粗利率の動向などは不透明であるが、目先的には積極的な買収などによる業容拡大策を評価の動きが優勢に。
不動産セクター
業種別の上昇率トップ。特に目立った材料は観測されていないものの、足元で下げの目立っていたセクターであり、突っ込み警戒感からの買い戻しや押し目買い資金などが流入していると見られる。一部では、鉄鋼セクターとのリバランスの動きなども観測されているもよう。また、メリルリンチ(ML)では、株価下落の大半はマクロ要因であり、大手不動産の株価は過去の不動産上昇相場でのNAV倍率の平均1.2倍に対して平均1倍まで低下しており、ダウンサイドリスクは後退と判断しているもよう。クレディ・スイス(CS)でも、賃料の上昇は継続していると評価しているようだ。
洋インキHD<4634>:470円(同+11円)
反発。今・来期の業績観測報道が伝わっており、買い材料視される展開になっている。今期営業利益は従来予想通り前期比14%増の200億円に、来期は同15%増の230億円前後になる見通しとされている。スマホ材料が中国などで伸び、連続最高益更新の見通しと。今・来期ともに市場コンセンサスを上回る水準であり、評価が高まる状況になっている。
大正製薬HD<4581>:7920円(同+270円)
買い優勢。クレディ・スイス(CS)では投資判断を「ニュートラル」から「アウトパフォーム」に格上げ、目標株価も6900円から9700円に引き上げている。今期からの業績は反転して来期も増収増益が確保できる見込みであること、一時の割高感が払拭されていること、過小評価や低稼働なブランド力を今後向上させていくと期待できることなどを格上げの背景に。これまで買い推奨の格付けが少なかった銘柄でもあり、ポジティブなインパクトが強まる状況のようだ。
共栄タンカー<9130>:235円(同+10円)
出来高を伴い大幅に3日続伸。野村では、ウクライナ情勢の緊迫化はタンカー市況の上昇につながりやすいと指摘している。欧米各国がロシアへの経済制裁に踏み切った場合、石油、天然ガスなどは他国からの調達に切り替える可能性があり、海上輸送にはプラスに働くとみている。タンカーの保有比率の高い中小型株として同社を挙げているもよう。
不二サッシ<5940>:197円(同+28円)
急伸。グループ会社の不二ライトメタルが、難燃性マグネシウム合金を利用した燃料電池の共同研究に着手したと伝わっている。塑性加工の適用性評価などの製造技術開発を手掛けていくようだ。藤倉ゴム<5121>や古河電池<6937>がマグネシウム電池関連として人気化した経緯もあり、将来的な市場拡大への期待感は先行しやすい状況とみられる。
アルチザ<6778>:ストップ高買い気配
ストップ高買い気配。今期の売上高見通しを19.5億円から24.5億円へ、営業利益見通しを1.5億円から4.0億円へとそれぞれ大幅に上方修正したことが好感されている。高速データ通信(LTE)の次世代規格への移行に伴って、基地局の機能を検査する機器の需要が伸びることが背景のようだ。昨年12月にも通期計画を引き上げており、再上方修正がポジティブサプライズに。
オンキヨー<6628>:158円(同+50円)
ストップ高。英半導体設計会社のイマジネーションテクノロジーズ(IMG)社と資本・業務提携すると報じられたことが材料視されている。IMGの保有技術で、CDに比べて高音質な「ハイレゾリューション」と呼ばれる音源の関連製品を開発するもようで関心が高まっている。なお、IMGは米インテルやアップルが大株主となっているようだ。
N・フィールド<6077>:16050円(同+3000円)
ストップ高。いちよしが投資判断を「A」、フェアバリューを26000円でカバレッジを開始したことが材料視されている。政府方針では、精神病床を2004年から2015年までに約7万床削減する在宅療養シフトを掲げており、精神科に特化した訪問看護を全国展開する同社には追い風になる見通しと指摘。また、同事業領域は競争が少なく、同社は先行優位性から高い利益成長が期待できるとコメントしている。
ファンコミ<2461>:4355円(同+405円)
買い先行。三菱UFJが投資判断「アウトパフォーム」、目標株価6300円でカバレッジを開始したことが材料視されている。スマホ向けディスプレイ広告ではアドネットワークが市場拡大の牽引役になると見込み、同社については、スマホ向けアドネットワーク「nend(ネンド)」が中期高成長のドライバーになると予想している。
ミクシィ<2121>:6420円(同+180円)
反発。瞬間自撮りメッセージ「muuk(ムーク)」の提供を開始したと発表したことが材料視されている。「muuk」は、親しい友だちと「表情」と写真を使って“いま”の会話を楽しむスマートフォンアプリ。「自撮りの表情」と写真とを組み合わせることで、より複雑な文脈と感情を伝えることができるもようで、新サービスへの期待感が高まっている。《KO》