新興国リスク、正しい理解には個別の点検が必要

2014年1月31日 09:58


*09:58JST 新興国リスク、正しい理解には個別の点検が必要
アルゼンチン、トルコ、南アフリカなど、新興国通貨の急落が世界の金融市場を混乱させています。中国の成長ペース鈍化や米量的金融緩和の縮小が新興国経済に対する投資家の不安感を膨張させていると伝えられていますが、単純に“新興国”とひと括りにして捉えると相場の動きを見誤る可能性があります。

アルゼンチンは外貨準備高が急速に減少、南アフリカでは鉱山労働者のストライキが頻発、トルコでは政情不安が継続——など、各国・地域の内部情勢を個別に点検する必要がありそうです。

例えば、ロシアルーブルは前日に急速に値を戻しましたが、これは同国の中央銀行がルーブル相場について、目標とする変動幅を超えれば「無制限に介入する」と一喝したことが効きました。それ以前の通貨急落については、2015年までの自由変動相場制の導入に向け、ロシア中央銀行がルーブル安を容認していたという事実はあまり伝えられていません。

ブラジルではインフレ高止まりで中央銀行が連続で政策金利を引き上げており、昨年3月の7.25%から現在は10.25%まで金利が上昇しています。教科書では金利の高い市場には資金が流れ込みやすいと教えていますが、ブラジルでは景気低迷も同時進行する「スタグフレーション」の状態にあります。また、今年は大統領選挙も控えており、新興国の中でも比較的リスクの高い市場になっている点に注意が必要です。

一方、アジア新興国を見ると、経常赤字となるインドやインドネシアが売りの標的とされそうですが、総じてまともなファンダメンタルズ(経済の基礎的要因)を持っていると言えそうです。

ただ、アジアの爆弾は中国の「シャドーバンキング(影の銀行)」危機。中国工商銀行が販売した商品についてはデフォルト(債務不履行)が回避されましたが、この問題は根が深いため新たなリスクが浮上すれば中国と密接なつながりのあるアジア新興国が狙い打ちにされそうです。

(フィスコ・リサーチ・レポーター)《RS》

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