アドクリ Research Memo(5):13年9月期は売上高、営業・経常利益で過去最高業績を達成
2014年1月14日 17:34
*17:34JST アドクリ Research Memo(5):13年9月期は売上高、営業・経常利益で過去最高業績を達成
■業績動向
(1)2013年9月期の連結業績
2013年11月12日付で発表された、アドバンスクリエイト<8798>の2013年9月期の連結決算は、売上高が前期比8.1%増の7,625百万円、営業利益が同19.2%増の1,295百万円、経常利益が同19.5%増の1,258百万円、当期純利益が同14.0%増の648百万円となった。好調な営業活動を反映して、売上高、営業利益及び経常利益ともに過去最高業績を記録した。また、8月に修正発表した会社計画に対する比較でも、売上高で145百万円、営業利益で150百万円上回った。会社計画比で上回った要因としては、広告代理店事業において広告収入が8月以降急速に拡大したこと、保険代理店事業において9月に一部の保険商品(終身型生命保険など)で値上げ前の駆け込み需要が発生したこと、などが挙げられる。
○保険代理店事業
事業セグメント別でみると、主力の保険代理店事業の業績は、売上高が前期比6.6%増の7,313百万円(社内向け売上含む)、営業利益が同16.4%増の1,223百万円となった。販売チャネル別の申込ANP(新規契約年換算保険料)では、販売体制を大きく見直したことで一時的に対面販売が前期比17.4%減と大きく落ち込んだほか、通信販売も同17.0%減と落ち込んだ。反面、協業チャネルは提携代理店、店舗数の拡大によって、同50.4%増と大きく伸長した。
申込ANP金額合計で前期比9.3%減と落ち込んだにもかかわらず、事業セグメントの売上高が同6.6%増と伸びているのは、手数料率の高い保険商品が伸びたためと考えられる。新規契約分のなかで貯蓄性保険商品の比率が低下し、逆に掛け捨て型商品の比率が上昇したものと推察される。貯蓄性商品の販売が伸びなかった背景としては、超低金利で利回りが低くなっていること、国内景気に回復の兆しが見え始め、「貯蓄から投資へ」という流れが出始めたことが影響していると考えられる。なお、保有契約件数は順調に増加し、前期比5.6%増の41.4万件となっている。
○広告代理店事業
広告代理店事業の業績は、売上高が前期比3.4%減の188百万円、営業利益が同2.4%増の31百万円となった。売上高が減収となっているが、これはグループ内での売上が減少したためで、対外顧客向けの売上高では同20.4%増の153百万円となった。「保険市場」の媒体価値を上げるために、前期より著名人のコラムをサイト内に設け、ユニークユーザー数の拡大と同時に、広告媒体としての価値向上に向けた取り組みをスタートさせた。吉本興業所属の芸人・鉄拳氏によるパラパラ漫画「約束」を同社がコラボレート。2013年8月中旬にYou Tubeに配信したところ、わずか2ヶ月を経ずして視聴回数が200万回を突破するなど注目を集めた。こうした取り組みの効果で、8月以降広告収入が急速に拡大したことが増収増益の要因になったものとみられる。実際、グラフにみられる通り、第4四半期(7-9月期)の売上、利益ともに急増している。
○再保険事業
再保険事業の業績は、売上高が前期比75.2%増の269百万円、営業利益が前期の1百万円から36百万円と急拡大した。再保険事業は前述したようにストック型のビジネスモデルであり、継続的に、一定の粗利益率が確保できる事業となる。事業開始後順調に契約件数を伸ばしており、今後も成長が続く見込みとなっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《FA》