アドクリ Research Memo(3):保険手数料収入が収益源、ストック型に近い収益構造

2014年1月14日 17:29


*17:29JST アドクリ Research Memo(3):保険手数料収入が収益源、ストック型に近い収益構造

■事業概要

○保険代理店事業

保険代理店事業は、アドバンスクリエイト<8798>の情報メディアサイト「保険市場」を通じて資料請求や問い合わせなどがあった見込み客に対して、非対面型の通信販売、対面販売、ネット完結型保険の販売、他の協業代理店での販売など、多様な販売チャネルで保険商品の販売を行っている。

直営の販売チャネルに関しては2013年4月に大きく戦略変更を行っている。具体的には、2013年2月末時点で22あった対面販売拠点の内、商業施設系の販売拠点を順次交通至便な都市圏のランドマーク的ビルへ集約し、コンサルティングプラザ11拠点、サテライトプラザ2拠点、計13拠点としている。

保険の種類は、がん保険や医療保険、生命保険、学資保険、傷害保険、自動車保険など個人で利用可能な保険は一通り販売している。また、代理店契約社数は2013年11月時点で73社(生命保険26社、損害保険29社、少額短期保険18社)となり、1年前と比較して9社増加した。

保険代理店事業における売上の主な内容は、保険会社から支払われる手数料収入である。保険契約者が保険会社に支払った保険料に対して、定められた手数料率を乗じたものが保険会社から同社に支払われる。生命保険など支払いが複数年にわたるものは、初年度と次年度以降の手数料率が変動するタイプの商品もある。手数料率に関しては、会社ごと、商品ごとに異なるために開示されていないが、傾向的には貯蓄性の高い商品は手数料率が低く、掛け捨て型の商品は手数料率が高くなる。また、年間手数料収入のうち、新規契約分の手数料収入は約8割で、残り2割は既存契約分の手数料収入(複数年契約の保険商品で2年目以降の手数料収入分)となっている。このため、期初の段階で年間手数料収入の約2割は把握できる格好となり、ストック型のビジネスモデルに近い収益構造と言える。なお、協業代理店で販売契約したものに関しては、手数料収入を約半分ずつシェアする格好となっている。

売上高構成比で最も高いのはメットライフアリコで、2013年9月期の売上高構成比で56.6%を占め、ここ数年上昇傾向にある。がん保険や医療保険など魅力のある商品を数多く揃えており、また同社の販売チャネルのすべてでラインアップされていることが背景にある。外資系保険会社全体の売上比率は約7割となっており、外資系保険の構成比率が高いことが特徴となっている。


○広告代理店事業

広告代理店事業は、情報メディアサイト「保険市場」を広告媒体とした広告枠の販売等を、子会社の株式会社保険市場が行っている。サイトの特性上、保険に関連する会社がクライアントとなっている。


○再保険事業

再保険事業とは、同社が保険代理店として獲得した保険契約の一部について、当該保険会社と同社の子会社であるAdvance Create Reinsurance Inc.との間で再保険契約を結ぶスキームとなっている。主に生命保険の再保険を中心に引き受けており、現在、契約先企業は8社(生保4社、損保2社、少額短期保険2社)。ストック型のビジネスモデルであるため収益性は安定しており、粗利率で20%、間接コスト等を控除すると営業利益率は1割程度が期待できる事業となる。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《FA》

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