【アナリスト水田雅展の銘柄分析】じげんはIPO直後の高値突破、中期成長期待を強めて上値追いの流れ

2013年12月26日 09:14

  領域特化型ポータルサイトを運営するじげん <3679> (東マ)は11月22日に新規上場した。株価はIPO直後の高値を更新して堅調に推移している。中期成長期待を強めて上値追いの流れだろう。

  06年6月の創業で、08年3月にライフメディアプラットフォーム事業を開始した。09年9月に商号を「じげん」に変更し、13年11月東証マザーズ市場に新規上場した。

  ライフメディアプラットフォーム事業は「生活機会の最大化」を目指して、求人・住まい・結婚・車などのライフイベント領域を中心に領域特化型ポータルサイト(EXサイト)を運営している。EXサイトでは、複数のインターネットメディアの情報や企業の情報を集約・統合しているため、一般ユーザーにとってEXサイト上で一括検索・閲覧・応募・問い合わせが可能になるという利便性の高さが特徴だ。クライアント企業からの成果報酬や広告収入が収益柱である。

  運営サイトは、転職・派遣・アルバイト・看護師求人・薬剤師求人関連、住宅・賃貸・引っ越し関連、プロバイダー関連、太陽光発電関連、自動車・中古車・自動車保険関連、婚活関連、チケット関連、国内旅行関連などに展開している。ユーザー数および提携企業数の増加に注力し、サービス領域の拡大も目指している。12月2日にはKDDI <9433> と求人サービス全情報において業務提携を開始したと発表した。auのスマートフォン向けサイト「au求人」から当社の求人関連EXサイトを利用できるようになる。

  今期(14年3月期)の連結業績見通しは、売上高が前期比52.9%増の17億93百万円、営業利益が同45.4%増の8億60百万円、経常利益が同42.8%増の8億44百万円、純利益が同49.4%増の5億33百万円としている。賃貸関連の大型顧客との提携も寄与してユーザー数および提携企業数が順調に増加し、成長に向けた人件費、広告宣伝費、サーバ関連費用などの増加や上場関連費用を吸収する。通期見通しに対する第2四半期累計(4月~9月)の進捗率は売上高が50.0%、営業利益が50.6%、経常利益が51.4%、純利益が49.7%と概ね順調な水準であり、好業績が期待される。

  株価の動きを見ると、公開価格600円に対して、新規上場2日目の11月25日に初値1750円を付け、11月26日には1834円まで上昇した。その後一旦は利益確定売りが優勢になって12月2日に1360円まで調整したが、1300円台での下値固めが完了して強基調に転換した。12月19日には2070円、12月24日には2060円まで上値を伸ばしている。12月25日の終値1930円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS10円57銭で算出)は183倍近辺である。中期成長期待を強めて上値追いの流れだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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