フィッシャー氏の金融姿勢:「実利派」がもたらすフォワードガイダンスへの警句

2013年12月13日 09:45


*09:45JST フィッシャー氏の金融姿勢:「実利派」がもたらすフォワードガイダンスへの警句
米連邦準備理事会(FRB)の次期副議長候補の中に、イスラエル中央銀行のフィッシャー前総裁の名前が浮上しました。あくまで報道ベースでの情報で正式決定ではありませんが、市場では早くもフィッシャー副議長が誕生した場合のFRB金融政策運営、またはイエレン議長との相性などに関する思惑が渦巻いています。

さて、そもそもフィッシャー氏とはどんな人物なのでしょうか?同氏は国際通貨基金(IMF)で筆頭副専務理事を務めたほか、マサチューセッツ工科大学(MIT)教授時代にはバーナンキFRB議長やドラギ欧州中央銀行(ECB)議長を指導したことも知られています。イスラエル中銀総裁時代には最も尊敬を集めた公人とされ、今年の議長退任時には「イスラエルは責任ある最後の大人を失った」とまで評された経緯も持っています。

さて、フィッシャー氏の金融政策スタンスについて「実利派」という評価が目立ちます。つまり、理論や理念に過度に執着せず、経済環境の変化に合わせて素早く対応するタイプです。世界金融危機が発生した2008年には大幅な利下げを決断し、景気が持ち直すと危機後に世界の中央銀行で初めて利上げを実施しました。

その実利的な政策姿勢から、フィッシャー氏はFRBによるフォワードガイダンス(FG)に批判的です。同氏は9月の会合で、「FRBが何をするか期待してはいけない。なぜならFRBもわかってないからだ」と述べたことは各種報道で伝えられた有名な言葉です。

また、同氏は市場とのコミュニケーションについて「わかっていること、確実にコミットできることは伝える。投資家を過度に混乱させることは避けるべき」と指摘し、不確実なFGに頼らず、わかっていることのみを明確に市場に伝えることが重要だと説いています。

FRBは来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和の縮小に着手する可能性が高まっています。また、超低金利政策は維持するという姿勢を市場に伝えるため、目標失業率の引き下げなどFGが強化されるとの観測も高まっています。

フィッシャー氏の発言が来週のFOMCに影響するかは分かりませんが、少なくとも副議長に就任すれば来年からの金融政策は性格が変わるかもしれません。

(フィスコ・リサーチ・レポーター)《RS》

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