J-オイルミルズ Research Memo(11):原料相場、製品価格、ミールバリュー低下、為替変動を注視
2013年12月6日 18:40
*18:40JST J-オイルミルズ Research Memo(11):原料相場、製品価格、ミールバリュー低下、為替変動を注視
■リスク要因
J-オイルミルズ<2613>の2011~2013年度の中期経営計画期間において、ミールバリューの回復が追い風になったとはいえ、原料高を克服しながら2012年3月期~2013年3月期の2期連続で営業増益を確保したことは評価に値しよう。
一方、最終年度の2014年3月期における当初の数値目標は売上高が200,000百万円、営業利益は10,000百万円を見込んでいた。しかしながら、実際に同社が示した2014年3月期予想では、原料高で売上高が214,000百万円に増額されたものの、急激な円高是正や非製油事業の育成遅れ、既存油脂部門における高機能製品の伸び悩みなどにより、営業利益は6,600百万円に減額された。まだ下期を残しているものの2011~2013年度中期経営計画は利益成長に課題を残す結果となっている。加えて、海外事業は拠点整備の段階のため、現状では2020年度に同社が目指す海外事業の一本立ちには時間がかかるとみられ、現地パートナーとの合弁から一歩踏み込み、時間をお金で買う方法も選択肢の1つに加える必要もあろう。
以上から、同社のリスク要因として、1)原料相場、2)原料市況を製品価格に反映させるタイムラグ、3)ミールバリューの低下、4)為替変動、などが改めて認識させられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 馬目俊一郎)《FA》