後場に注目すべき3つのポイント~米11月雇用統計待ち、中小型株は利食い優勢に

2013年12月6日 12:18


*12:18JST 後場に注目すべき3つのポイント~米11月雇用統計待ち、中小型株は利食い優勢に

6日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・リバウンド機運は強まらず
・ドル・円は101円80銭付近、日経平均上昇を好感したドル買いは一服
・週末要因も絡み直近上昇の目立った中小型株の一角は利益確定売り優勢

■リバウンド機運は強まらず

日経平均は小幅に反発。26.03円高の15203.52円(出来高概算9億9000万株)で前場の取引を終えた。欧米市場の下げや為替市場での円安一服を背景に、シカゴ日経225先物清算値(15085円)にサヤ寄せする格好から売りが先行した。ただ、直近2日間で500円超の急ピッチの下げをみせるなか、サポートとして意識される15000円接近で、その後は買い戻しや押し目買いの流れからプラスに転じてきている。

とはいえ、リバウンド機運は強まらず、今晩の米雇用統計の結果を受けた米株市場の動向を見極めたいとのムードも強く、前日終値を挟んでのもみ合いが続いている。前日に売買代金が2007年1月以来の水準に膨らんだソフトバンク<9984>は、8810円まで上昇したものの高値に届かず、その後は下げに転じている。朝方こそ強い動きをみせていたバイオ株なども、次第に利益確定の売りに押されている。

セクターでは電力ガス、金属製品、空運、精密機器、機械などがしっかり。半面、その他金融、医薬品、情報通信、小売、建設などが冴えない。東証1部の騰落銘柄は値下がり数が若干上回っているが、ほぼ拮抗。規模別指数は小型株指数のみがマイナスだった。

週末要因と米雇用統計を控え、積極的には動きづらい状況である。また、このところは後場に入り先物主導で弱含みとなる局面が続いており、慎重姿勢にも。甘利経済再生相は5日、自らの体調について「早期の舌がん」と明らかにしており、政策への影響を見極めたいとのムードも強いようである。

規模別指数をみると小型株指数がマイナスであり、個人主体による利益確定の売りが強まっているようである。資金回転が速いこともあり、週末による持ち高調整もあったと考えられる。また、ソフトバンク<9984>がダレていることも、物色意欲を後退させているように映る。ソフトバンクを睨みながら、強い動きをみせている中小型株などをピンポイントで攻める状況に。

■ドル・円は101円80銭付近、日経平均上昇を好感したドル買いは一服

ドル・円は101円80銭付近で推移。101円台後半では短期筋などのドル買い興味が残されており、ドル・円は下げ渋っている。ただ、日経平均株価の反転、上昇を好感したドル買いは一服。日経平均株価の上げ幅が拡大しない場合、ドル・円は101円台後半でもみ合いを続けるのではないか、との声が聞かれている。

なお、日本時間22時30分に発表される米11月雇用統計については、失業率の低下は織り込み済み。非農業部門雇用者数は+18.5万人が予想中央値となっているが、予想レンジは+11.5万人から+23万人でばらつきがある。予想に近い数字が発表される保証はなく、米雇用統計発表後にドル・円相場は大きく動く可能性との見方もある。

■今後のポイント

・日経平均株価の上昇を好感したドル買いは一服
・101円後半でドル買い興味残る

12時17分時点のドル・円は101円80銭、ユーロ・円は139円15銭、ポンド・円は166円30銭、豪ドル・円は92円28銭付近で推移。上海総合指数は、2230.51(前日比-0.74%)で推移している。

■後場のチェック銘柄

・日経平均は直近大幅下落の反動も、米11月雇用統計を控え積極的な上値追いは限定的
・週末要因も絡み直近上昇の目立った中小型株の一角は利益確定売り優勢
・後場も上値の重い展開か、中小型株も利食い警戒で見送りムードに

☆後場の注目スケジュール☆

<国内>

13:00 携帯電話純増数と累計契約数を公表(KDDI<9433>、ソフトバンク<9984>、NTTドコモ<9437>、11月)
14:00 10月景気動向指数速報(予想:先行109.7、一致109.7)
16:00 菅官房長官、定例記者会見《KO》

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