【材料でみる株価】寿スピリッツはピロリ菌接着抑制剤で特許取得、2000円へ向け加速
2013年12月5日 06:36
寿スピリッツ <2222> (東2)は、栃の実ポリフェノール『ヘリコバクター・ピロリ接着抑制剤』の特許を去る、11月8日付けで取得したと、このほど発表した。40歳以上の7割以上の人が胃がんの原因にもなるといわれるピロリ菌を保有しているといわれ、日本人にとっては朗報である。株価も好反応となっている。
特許を取得したのは寿スピリッツの子会社である寿製菓。主力商品として手がける「とち餅」や「栃の実茶」の原料である「栃の実」に含まれるポリフェノールにピロリ菌が胃の粘膜にくっつくのを抑制する効果があることを見つけた。
今回、胃がん細胞を用いた試験で栃の実ポリフェノールを12.5μg/mlの濃度で加えた際にヘリコバクター・ピロリの接着を50%ていどにまで抑えることを確認したという。12.5μ単位とはどのくらいの量となるのか。
μgは1gの100万分の1ということだそうだから、仮に胃の容積を1200mlとすると、12.5μg×1200=15000μg=15mgということになる。栃の実茶1本(125ml)には栃の実ポリフェノールが19mg含まれているというから、125ml入りの栃の実茶を1本飲めば効果が期待できそうだということになる。ただ、今回の実験は培養細胞を用いたものであり、実際に人においてどの程度で効果があるかについては今後の課題ではある。しかし、われわれにとって、朗報であることは間違いない。
一方、他社の参入は心配ないのだろうか。栃の実は苦味が強いため、この苦味を抑えることが製造上のポイントで同社はこの点に強さがある。また、栃の実ポリフェーノールについては接着抑制の特許に加え、ほかにリパーゼ阻害剤、抗酸化剤、糖質分解酵素阻害剤、および薬剤の製造方法について特許を取得していることから他社参入は難しいといえる。
同社(寿製菓)が栃の実の研究を始めたのは2002年から。社員が鳥取大学、島根大学、山口大学の3大学で構成される鳥取大学院連合農学研究科博士後期課程へ社会人入学し、栃の実の健康機能成分について研究を行った。2010年に林原生物化学研究所とヘリコバクター・ピロリに対する効果を研究し、林原生物化学研究所が特許を申請しないとの判断から合意のもと同社が特許を申請した。
現在、同社では栃の実茶を通販中心に販売している。今後は通販以外の販売チャンネルも行っていくという。
株価は今回の特許取得で1200円台のモミ合いを上放れ11月28日には1460円と年初来高値を更新した。業績も絶好調で、これからクリスマス等の需要期という人気性もあり、今回、医療健康関連の材料も加わったことで2000円相場に向けて加速するものとみられる。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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