メディカルシステムネットワーク Research Memo(8):新規出店の増収効果と間接部門スリム化で営業利益率は向上

2013年12月3日 19:07


*19:07JST メディカルシステムネットワーク Research Memo(8):新規出店の増収効果と間接部門スリム化で営業利益率は向上
■業績動向

○調剤薬局事業

メディカルシステムネットワーク<4350>の調剤薬局事業の2014年3月期第2四半期累計(4-9月期)の売上高は前年同期比17.2%増の29,213百万円、営業利益は同87.0%増の1,076百万円となり、営業利益率も2.3%から3.7%へ上昇した。増収効果に加えて、グループ会社の吸収合併(4社)を行ったことによる間接部門のスリム化も利益率の向上に寄与した。当第2四半期累計期間の出退店状況は、新規出店数が7店舗、M&Aによる店舗取得が8店舗となった一方で、2店舗を閉店し、2013年9月末の店舗数は前期末で13店舗増、前年同期比では24店舗増の282店舗となった。

売上高が好調に推移した背景には、店舗数の拡大効果に加えて、既存店ベースの調剤報酬が前年同期比7.3%増と想定以上に堅調に推移したことが挙げられる。既存店の調剤報酬の増減要因としては、処方箋単価が5.4%上昇したことに加えて、処方箋枚数も1.8%増と増加に転じたことが大きい。単価に関しては、処方日数の長期化に加えて、薬価改定の2年目は例年上昇する傾向にあることから、ほぼ想定の範囲であったが、処方箋枚数に関しては半期(4-9月期)ベースで3期ぶりにプラスに転じるなど、計画を上回って推移した。前年の水準が低かったことに加えて、患者の待ち時間短縮や、店舗内におけるアメニティの向上に注力するなど、顧客満足度の向上により来店患者数の増加に取り組んだ効果が出てきたものと思われる。

なお、処方箋単価のなかに含まれる技術料単価も前年同期比で2.6%増と上昇基調が続いており、単価のアップに寄与している。これは後発医薬品(ジェネリック医薬品)調剤体制の強化に伴い、加算点数の取得店舗数が増加していることに加えて、その中でも加算点数の多い店舗(後発医薬品の取扱比率が高い店舗)が増えたことが要因だ。加算点は薬局店舗ごとに医薬品の調剤数量ベースで後発医薬品の調剤数量比率が一定以上になると、技術料に付加することが可能になるというもので、医療費を抑制したい厚生労働省が後発医薬品の普及拡大を支援する目的で作ったものである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)《FA》

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