アデランス Research Memo(5):2Qは買収による売上高上乗せと費用増で増収減益

2013年11月11日 18:24


*18:24JST アデランス Research Memo(5):2Qは買収による売上高上乗せと費用増で増収減益

■業績動向

(1)2014年2月期第2四半期(実績)

アデランス<8170>の2014年2月期第2四半期(2013年3-8月)決算は表のように売上高30,875百万円(前年同期比24.7%増)、営業利益1,751百万円(同31.7%減)、経常利益1,964百万円(同24.4%減)、四半期純利益2,705百万円(同15.7%増)となった。

大幅増収の主要因は、国内売上高の増加と買収したヘアクラブ社の売上高(約3,235百万円)がこの第2四半期から上乗せされたこと。その一方で国内事業の広告宣伝費の増額や買収に関連したのれん代や無形固定資産の償却が606百万円発生したために営業利益は大幅減益となった。(詳細後述)また営業外収益で為替差益453百万円を計上したことで経常利益の減益幅は営業利益よりは縮小した。四半期純利益は、米国で繰延税金資産(955百万円)を計上したことから、前年同期比では増益となった。

●アデランス事業(※)

表のようにアデランス事業の売上高は14,273百万円(同11.0%増)となった。平均単価はやや低下したものの、数量増により売上高は2ケタの増収となった。内訳は男性用5,356百万円(同5.6%増)、女性用8,916百万円(同14.6%増)であった。

●フォンテーヌ事業(※)

フォンテーヌ事業の売上高は前年同期比5.9%増の3,998百万円となった。平均単価は横ばいであったが、数量増によって増収となった。

(※)国内事業については、昨年対比で販管費の会計処理が異なるため、詳細な記述はなし

●ボズレー事業

円ベースの売上高は表のように前年同期比6.0%増の4,582百万円となったが、これは円安効果によるもので、現地通貨ベースでは47百万米ドル(前年同期比12.0%減)となった。為替差を除いた実質ボズレー事業の売上高は前年同期比で約615百万円の減収となった。現地通貨ベースで減収となったことから、営業利益は前年同期比66.7%減の147百万円となった。

減収の主な要因は、広告宣伝の投入量が当初予定を下回った(メディア枠を取れなかった)ことに加え、広告の内容が陳腐化しているために効果が薄くなったこと。会社側は、11月以降抜本的に広告戦略を変えるとしているが、コストに加えて時間もかかることから、効果が出てくるのは来年度以降になるようだ。

●海外ウィッグ事業(ヘアクラブ社は除く)

海外ウィッグ事業の地域別売上高および営業利益は表のようになった。

北米地域(ヘアクラブ社は除く)の売上高は1,220百万円(前年同期比17.0%増)となったが、円安による効果が約210百万円あり、実質(現地通貨ベース)では約34百万円の減収であった。このため営業利益は実質ベースでの減収に加え、棚卸資産の評価減を売上原価に計上したことで赤字幅が231百万円増加、これに円安によるマイナス分(13百万円)が加わり、結果として北米地域での営業損益は309百万円の赤字となった。

欧州地域の売上高は、2012年9月から連結に加わったフランス子会社(Le Nouvel Espace Beauté SA)の貢献もあり実質ベースで400百万円の増収、これに円安効果(約308百万円)が加わり、前年同期比48.8%増の2,161百万円となった。ただし経費も増加していることから、営業利益は前年同期比49.2%減の48百万円となった。円安効果20百万円があったが、実質ベースで66百万円の減益となったことが要因。

その他地域では、売上高は264百万円(同86.9%増)、営業損益は59百万円の赤字(同76百万円の赤字)となったが、まだ規模が小さいために全体に与える影響は少ない。

●ヘアクラブ社の影響

既述のように同社は2013年4月に米国トップのオーダーメイドウィッグ販売会社であるヘアクラブ社を買収(100%子会社化)し、2014年度第2四半期(2013年6-8月)から連結決算に加えている。したがって、今回の2014年2月期第2四半期(2013年3-8月)決算では3ヶ月分だけヘアクラブ社の数値が加算されている。事業内容は既述のようにウィッグ販売が80%、残りが育毛関連、ヘアトランスプラント関連等であるが、ヘアトランスプラント関連の売上高はボズレー事業に計上されている。

ヘアクラブ社の2014年2月期第2四半期(2013年3-8月)の売上高は3,235百万円(33,742千米ドル)、営業損失は352百万円(3,677千米ドル)であったが、このなかには減価償却費606百万円(6,352千米ドル)が含まれており、EBITDA(税引前償却前営業利益)は253百万円(2,648千米ドル)の黒字となっている。

このヘアクラブ社を同社は約163百万ドル(約15,800百万円)で買収したが、関連した諸費用を含めた買収資金は長期借入金10,500百万円、自己資金6,000百万円で賄った。この買収により、のれん代を約6,800百万円、その他無形固定資産(顧客リスト、FC契約、商標権等)を約12,000百万円計上。この結果、毎年のれん代の償却が約300百万円(20年間)、無形固定資産の償却が平均2,000百万円(平均6-8年間)発生する。これによって表面上の営業利益は圧迫されるが、キャッシュフローベースでは黒字である。


(執筆:フィスコ客員アナリスト寺島昇)《FA》

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