失業率は4倍、高齢化率は6倍に 東京五輪の64年と現在を比較

2013年10月4日 19:45

2020年に東京で開催されることが決まった夏季オリンピック。開催決定を受け、総務省統計局は前回、東京オリンピックが開催された1964年と、現在(2012年)の日本の状況について比べた表を公表した。

 1964年と2012年を比べると、日本の人口は「9718万人」から「1億2752万人」へと増加。およそ3000万人増えたことになる。一方で、労働力人口は1800万人しか増えていない。

 背景には、すさまじいスピードで進む高齢化がある。65歳以上の人の割合は、64年にはわずか6.2%だったが、2012年には24.2%まで上昇。今や4人に1人が高齢者となり、働く世代の人口減少が続いている。

 では労働力が足りなくなっているのかと思いきや、「完全失業率」は64年の1.1%から、現在は4.3%まで上昇。「失われた20年」の構造不況による失業や、製造業からサービス産業へと産業の中心が変化したことにより、労働市場ではミスマッチが起きていることが分かる。

 この50年で「物価」も上がった。モノの値段(東京都区部の年平均小売価格)を1964年と現在で比較すると、外食の「中華そば」は59.4円から587円へ、映画観の大人料金は、221円から1800円まで上昇。いずれもほぼ10倍近く上がっている。特徴的なのは輸入品がほとんどを占める「バナナ」で、1キロ228円から現在は201円へと下落。「昔はバナナが高級品だった」というのは本当らしい。

 総務省のデータをみると、この50年で日本が急速に「グローバル化」したことも分かる。日本から海外へ出かけていく人の数は現在、年間2700万人。64年当時から54倍に増えた。日本を訪れる外国人数も昨年は917万人で、この50年で33倍に増えている。政府は五輪開催の2020年頃までに、訪日外国人数を現在の2倍の約2000万人まで増やすことを目標としている。近いようで遠い7年後の「東京」は、現在と比べてどうなっているだろうか。(編集担当:北条かや)

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