テラ Research Memo(2):収益の鍵となる契約医療機関数は着実に増加中

2013年9月18日 18:50


*18:50JST テラ Research Memo(2):収益の鍵となる契約医療機関数は着実に増加中
■会社概要

(1)事業概要

テラ<2191>の事業セグメントは細胞治療技術開発事業と細胞治療支援事業の2つに分けられている。2012年12月期の売上高構成比では、細胞治療技術開発事業が78%、細胞治療支援事業が22%となっている。

細胞治療技術開発事業とは、「樹状細胞ワクチン療法」等の免疫細胞療法に係る研究開発、また、契約した医療機関に対して治療技術・ノウハウの提供、細胞培養施設の貸与、特許実施権の許諾及び集患支援サービスを行う事業となる。

契約医療機関にはその契約形態によって、「基盤提携医療機関」「提携医療機関」「連携医療機関」の3タイプに分けられる。「基盤提携医療機関」とは、同社が細胞培養施設を当該医療機関に設置・貸与し、技術ノウハウの提供、マーケティング、医療機関向け及び患者向けの情報提供、特許使用の許諾などを行い、その対価を治療数に応じて徴収する医療機関になる。「提携医療機関」とは、細胞培養施設を自身で既に整備している医療機関のことであり、技術・ノウハウの提供、マーケティング、医療機関向け及び患者向けの情報提供、特許使用の許諾などを行い、その対価を治療数に応じて徴収している。主に大学病院など大型の医療機関が対象となる。施設の貸与料金がかからないため、1症例当たりの売上高は基盤提携医療機関より少なくなる。「連携医療機関」とは、基盤提携医療機関及び提携医療機関と連携し治療を行う医療機関となり、同社が当該医療機関に対して技術・ノウハウの提供、医療機関向け及び患者向け情報提供等を行い、その対価を徴収している。樹状細胞の培養に関しては「基盤提携医療機関」または「提携医療機関」で行うことになるため、1症例当たりで、当該医療機関から直接得られる売上は更に低くなる。

こうした契約医療機関の数はグラフにみられるとおり年々、着実に増加してきており、2013年6月末では北海道から鹿児島まで19都道府県、29カ所の医療機関と契約している。なお、8月には新たに北里大学北里研究所病院、八九十会高尾病院とそれぞれ提携契約を結んでおり、契約件数は合計で31ヶ所となっている。

もう1つの事業である細胞治療支援事業とは、医療機関や研究機関からの細胞培養施設の運営受託及び保守管理サービス、並びに消耗品、装置の販売及びサポートを連結子会社であるバイオメディカ・ソリューション(2011年2月設立)で展開している事業となる。

細胞培養施設は、細胞を培養するためのインキュベータ装置と、培養した細胞を加工するための細胞プロセッシング装置等から構成されており、施設(部屋)の外と遮断された構造であり、クリーン度が高く、安全に細胞培養が行える環境整備がなされている。1施設当たりの投資額としては、50~150百万円程度となる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)《FA》

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