【アナリスト水田雅展の銘柄分析】川崎近海汽船は中間期の業績増額と配当増額を発表、海洋資源開発関連も支援材料

2013年9月17日 13:29

  川崎近海汽船 <9179> (東2)の株価は調整一巡して出直り感を強めている。指標面の割安感、海洋資源開発関連のテーマ性に加えて、9月13日に中間期の業績増額と配当増額を発表したことも刺激材料となって出直り本格化しそうだ。

  石炭・木材・鋼材などの輸送が主力の近海部門と、石炭・石灰石・紙製品・農産品などの輸送やフェリー輸送が主力の内航部門を展開している。5月に発表した中期経営計画(14年3月期~16年3月期)では、16年3月期売上高457億円、営業利益28億円、経常利益26億50百万円、純利益17億円を目標として、新造船など3年合計投資額115億円も掲げている。

  新規分野として8月26日に、オフショア・オペレーションとの業務提携を発表した。日本沿岸・近海における海洋資源開発・探査・掘削設備および洋上再生可能エネルギー設備に関わる支援船業務を発展させる目的で合弁会社を設立し、日本の領海内での海洋開発に関わる本格的なオフショア支援船の運航を目指すとしている。

  また9月13日に、今期(14年3月期)第2四半期累計(4月~9月)連結業績の増額と、第2四半期末の配当増額を発表した。第2四半期累計の連結業績は売上高を9億円増額して227億円、営業利益を2億円増額して10億円、経常利益を3億円増額して10億円、純利益を2億50百万円増額して6億50百万円とした。近海部門での船腹調整効果に加えて、内航部門で輸送量が好調に推移した。配当は第2四半期末を1円増額して5円とした。年間配当も1円増額の9円(第2四半期末5円、期末4円)となる。

  通期見通しは前回予想を据え置き売上高が前期比2.4%増の435億円、営業利益が同0.7%減の17億50百万円、経常利益が同2.8%減の16億円、純利益が同6.7%減の10億円としている。燃料費高などで営業微減益見込みとしているが、第2四半期累計の増額修正を考慮すれば、通期連結業績および期末配当についても増額の可能性があるだろう。

  株価の動きを見ると、8月は概ね260円近辺でモミ合う展開だったが、9月に入って水準を切り上げる動きとなり、9月11日には282円まで上伸する場面があった。短期調整が一巡して出直り態勢のようだ。

  9月13日の終値277円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS34円06銭で算出)は8~9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間9円で算出)は3.2%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS741円49銭で算出)は0.4倍近辺である。

  日足チャートで見ると、25日移動平均線と75日移動平均線を突破して強基調に転換した形だ。また週足チャートで見ても、13週移動平均線に続いて26週移動平均線を突破する動きを強めている。指標面の割安感、海洋資源開発関連のテーマ性、さらに9月13日発表の第2四半期累計増額と中間期末配当増額を支援材料に出直りが本格化しそうだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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