興研 新型感染症の流行でマスク需要拡大の可能性

2013年9月9日 08:39


*08:39JST 興研---新型感染症の流行でマスク需要拡大の可能性

興研<7963>は、マスクなどの安全衛生保護具の大手メーカー。防じんマスクや防毒マスクの製造販売を主な事業とする。産業用マスクでトップクラスのシェアを持ち、近年は医療用や家庭用にも進出。マスク以外では強酸性水生成装置「オキシライザ」、内視鏡洗浄消毒装置「鏡内侍(かがみないし)」、クリーンルーム生成装置「KOACH」を製造販売している。

7月30日に発表した2013年12月期の上期(1-6月期)の連結業績は、売上高が前年同期比19.1%減の34.68億円、営業利益が同65.9%減の1.73億円となった。

主力である産業用マスクについては、国内製造業の就業者数減少と震災特需の反動で需要が減少したことが響いた。医療分野では、使い捨て式防じんマスクの高フィット性が評価され、全国の保健所や感染症指定医療機関で採用されてシェア拡大が続いている。5月に市場参入を表明した家庭用マスクでは、マスクの開発、マーケティング活動、海外生産子会社の稼働に向けた準備などを進め、予定通り10月に販売を開始する予定。

「KOACH」については、引き合いから受注までの期間が想定より長くかかる案件が多く、売上高は予想を下回ったものの、検討案件数は250件を超えており、下期以降の収益貢献に期待できる。このため通期予想については2月に発表した計画を据え置き、売上高が前期比0.8%増の84.00億円、営業利益が同12.8%減の6.50億円としている。

下期に向けて、新型インフルエンザウィルスやMARSコロナウィルスなど新型感染症の大流行が発生した場合、医療用や家庭用でマスク需要が高まる可能性は大きいと考えられる。《FA》

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