【株式評論家の視点】住友金属鉱山はシリア攻撃など、海外のきな臭い情勢で出番到来
2013年9月5日 10:12
<銘柄の見所>
シリア攻撃の接近など、世界を覆うきな臭い情勢が住友金属鉱山 <5713> に活躍の場を提供することになりそう。会社側は今2014年3月期の業績の業績見通しのうち、中間決算について売上げを43700億円から3980億円(前年同期並み)へ、営業利益を400億円から310億円(同22%減)へ下方修正した。会社側では、第2四半期の非鉄金属価格と為替の前提を見直したことを修正理由として挙げている。
こうした事態を受け、株価は8月15日の目先の高値1449円から、9月2日には1313円まで売り込まれるなど軟調な展開に入っている。ただ、これはあまりにも近視眼的な見方。銅、ニッケル、金のそれぞれの価格推移をみると、金価格が2012年10月以降、銅価格とニッケル価格は2013年3月以降、下落基調となった。欧州債務問題の再燃や最大の需要地である中国の景気減速の長期化などが嫌気されたようだ。ただ、8月は、銅、ニッケル、金はいずれも上昇に転じており、さらなる下値不安は薄らぎつつある。
同社の評価を高めていくのが海外プロジェクトの積極的な展開。資源部門では、新規開発鉱山ではチリのシエラゴルダ鉱山開発を行っており、2014年の操業開始を予定している。既存鉱山では鉱区拡張により米国のモレンシー鉱山とペルーのセロ・ベルデ鉱山で増産を計画。製錬部門では、フィリピンでニッケル製錬のタガニート・プロジェクトを推進しており、2013年秋の商業生産開始を目指している
そうした海外プロジェクトの稼働などにより、来3月期以降、営業増益の方向が有力。中期計画では資源、製錬、材料の三つのコアビジネスの継続的成長により、「世界の非鉄リーダー&日本のエクセレントカンパニー」を目指している。これは、評価の水準を一段上に引き上げる要素である。(株式評論家・隆盛)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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