NYの視点:9月のQE縮小見通しが曇る

2013年8月27日 07:02


*07:02JST NYの視点:9月のQE縮小見通しが曇る

米国商務省が発表した耐久財受注は前月比で7.3%減と、市場エコノミスト予想の4.0%減をさらに下回り2012年8月以来で最大の下落率を記録した。航空機受注の減少(-52.3%)は予想されていたものの、輸送(-19.8%)、コンピューター(-19.9%)、製造業(-9.8%)などの受注は予想外に弱いものとなった。

また、変動の激しい輸送用機器を除いた耐久財受注も前月比0.6%減と、プラス改善予想に反して3月以来のマイナスに落ち込んだ。企業による設備投資の先行指標として注目される航空機を除いた非国防資本財(主に、コンピユーター、電化製品など)の受注は3.3%減と、予想外に2月以来のマイナスに落ち込んだ。国内総生産(GDP)の算出に用いられる航空機を除いた非防衛資本財の出荷も1.5%減と、6月の0.8%減に続き2カ月連続のマイナスとなった。この低調な結果を受けて、金融各社は米国7-9月期のGDP成長見通しを引き下げ。モルガンスタンレーは当初の2.7%増から2.3%増へ引き下げた。ゴールドマンサックスは1.8%増から1.7%増へ、バークレイズ銀も2.1%増から1.9%増へそれぞれ引き下げた。

ダラス地区連銀が発表した8月の製造業活動指数でも全体指数は5.0と予想以上の成長を見せたが、平均労働週が2年ぶりの低水準に落ち込んだことが懸念材料として指摘されている。労働者数は7月から上昇したものの、過去2カ月の労働週の落ち込みは3年間で最大となり、2009年10月以来で最低。オバマケア(医療保険制度改革法)の本格稼働を控えて、企業側は従業員にかかる健康保険コストの上昇を回避するために労働時間の短縮を進めている証拠となる。ダラス州のテキサスは、リーマン危機以降、もっとも雇用が創出された都市である。米国中で最も労働市場が強いと見られているテキサスで雇用の急激な鈍化が見られるということは、他の州の雇用がさらに弱まっている可能性がある。

米連邦準備制度理事会(FRB)が9月の連邦公開市場委員会(FOMC)での資産購入縮小を決定するにあたり、鍵となる8月の雇用統計への警戒感も強まる。9月の資産購入縮小の観測は根強いが、一部の市場関係者は「まず、100億ドル規模の少額での量的緩和第3弾(QE3)縮小も可能だ」と、若干見方を緩和させている。《KO》

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