コンドーテック Research Memo(5):建設業界向けが続伸、2013年3月期は過去最高業績を更新
2013年8月23日 08:15
*08:15JST コンドーテック Research Memo(5):建設業界向けが続伸、2013年3月期は過去最高業績を更新
■業績動向
(1)2013年3月期の決算業績
コンドーテック<7438>の2013年3月期の連結業績は、売上高が前期比6.2%増の41,153百万円、営業利益が同38.3%増の2,664百万円、経常利益が同36.4%増の2,754百万円、当期純利益が同53.5%増の1,605百万円となり、過去最高業績を達成した。単独決算でみても、売上高は34,142百万円と4期ぶりに過去最高を更新し、経常利益についても2,550百万円と6期ぶりの過去最高を更新している。
主力市場である建設業界向けが震災の復興需要並びに新設住宅着工件数の回復などを背景に続伸したことが主因だ。また、売上高営業利益率は6.5%と前期比1.5ポイント上昇した。これは増収効果に加えて、主要原材料となる鋼材価格が低下したこと、付加価値の高いブレースの販売が好調に推移したことなどが要因で、売上原価率、販管費率ともに改善している。事業セグメント別の動向は以下の通りとなる。
○産業資材
産業資材の売上高は前期比6.0%増の25,232百万円、セグメント利益は同33.6%増の1,956百万円となった。港湾・土木を中心とした震災復興需要の拡大を受け、ネット・シート類や仮設足場部材などの商品売上高が前期比で約1,000百万円増加したほか、製品売上高もブレースを中心に約400百万円増となった。販売エリア別では東日本向けが約900百万円増となったほか、西日本向けも約500百万円増加した。復興需要を背景に、東日本向けの売上構成比は53%から54%と1ポイント上昇している。
セグメント利益は前期比492百万円の増加となったが、増減益要因をみると、販売数量の増加で364百万円、売上総利益率の改善で244百万円の増益要因となり、価格下落の影響27百万円や運送費を中心とした販管費の増加89百万円など減益要因を吸収する格好となった。
○鉄構資材
鉄構資材の売上高は前期比4.0%増の8,879百万円、セグメント利益は同70.2%増の574百万円と大幅増益となった。第2四半期以降に建物の復興需要が立ち上がり、また、学校施設など公共インフラ設備の耐震補強工事の増加もあって、売上高は堅調に推移した。特にアンカーボルトやブレースを中心に、製品売上高が前期比で約310百万円増と好調に推移した。販売エリア別では東日本が復興需要で約400百万円増加した一方で、西日本は約60百万円減と低調に終わった。この結果、東日本向けの売上構成比率は44%と前期比で3ポイントの上昇となっている。
セグメント利益は前期比で237百万円の増益となったが、増減益要因をみると、売上総利益率の改善で216百万円、販売数量の増加で81百万円となり、販管費の増加分60百万円を吸収した格好だ。セグメント利益率は6.5%と前期比で2.5ポイントの改善をみせたが、これは利益率の高い製品売上が好調に推したこと、原材料価格が低下する中で販売価格を維持できたこと、さらには付加価値の高いブレースの生産に集中してアンカーボルトの生産を外注に振り向けたことも利益率の改善に繋がった。
○電設資材
電設資材の売上高は前期比10.1%増の7,041百万円、セグメント利益は同77.0%増の173百万円と2桁台の増収増益となった。省エネ意識の高まりによってLED照明や太陽光発電システム、電線などの需要が好調に推移した。
セグメント利益は前期比で75百万円増加したが、増減益要因でみると増収効果で115百万円、販管費の圧縮で24百万円の増益となり、エアコンの販売単価下落に伴う売上総利益率低下の影響64百万円をカバーした格好だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《FA》