エスプール Research Memo(6):通期では期初計画を維持も、農園契約が順調なら上方修正か

2013年8月21日 18:50


*18:50JST エスプール Research Memo(6):通期では期初計画を維持も、農園契約が順調なら上方修正か

■業績動向

(3)2013年11月期の通期連結業績見通し

エスプール<2471>の2013年11月期の通期連結業績は、売上高が前期比6.5%増の5,262百万円、営業利益が同65.8%増の80百万円、経常利益が同124.8%増の66百万円、当期純利益が50百万円(前期は30百万円の損失)と会社側では期初計画を維持している。第2四半期累計の上方修正は、障がい者雇用支援サービスにおける農園の早期完売が主因だったこと、ロジスティクスアウトソーシングにおいて、つくば市での発送代行サービスの第2センター開設が第3四半期にずれ込んだことなどが要因だ。ただ、建設中の新農園の販売が順調に進めば、2013年11月期中に新たな設備販売収入が計上される可能性も残されている。

下期以降の主要事業の見通しは以下の通り。


○ビジネスソリューション事業

ロジスティクスアウトソーシング分野ではセンター運営代行サービスで新規の受注獲得が相次いでいる。センコーグループ(大手総合物流)から取引が拡大しているほか、2013年5月には国分(酒類・食品の大手卸)からも月商3千万円程度の受注を獲得するなど、受注案件の拡大が続いている。

また、発送代行サービスではつくばの第2センターが2013年8月から稼働する予定となっている。第2センターでは既存取引先の中でも価格を重視し、かつ発送数の多い企業向けに活用していく方針だ。平和島センターでは利便性を重視する顧客や新規取引先、発送数の少ない小口ユーザー向けとし、顧客ニーズに合わせてそれぞれのセンターを活用していく計画となっている。

一方、最近低調が続いているキャンペーンアウトソーシングサービスについては、2013年11月期中の黒字化を目指して2013年6月に人員の刷新とサービス内容の大幅な見直しに着手した。Wi-Fi基地局の設置など通信関連業務に今後注力していく方針だ。

その他、単月ベースでの黒字化を達成した顧問派遣サービスは、営業強化により登録顧問1,700名の稼働率向上を目指していく。また、除染業務においては立ち上げ当初は除染に時間がかかり利益が出なかったが、徐々に生産性も上がってきており、2013年7~8月の状況をみて、事業を拡大していくのかどうかを判断する。郡山市内の除染計画に対する消化率は5~10%の水準であり、仕事量はまだ豊富にあるが利益が一定水準に達しないようであれば、現状維持のペースも考えられる。


○人材ソリューション事業

人材ソリューション事業ではストアスタッフ向け派遣で関東圏、九州、中京でのコンビニエンスストア向けを開拓していくほか、コールセンター向け派遣においては、コールセンター事業者の地方展開に対応するため沖縄支店を開設した。また、携帯電話の販売支援では接客スキルや専門性を高めていくことで、競争優位を維持していく方針だ。携帯電話(スマートフォン)の販売実績では、ジェイコムホールディングス<2462>やP&Pホールディングス<6068>など競合大手の販売が落ち込むなかで、同社は前年比で3割増と着実に販売実績を伸ばしており、顧客からの評価も高まっている。地方展開に対応した需要取り込みと、ローコストオペレーションを再構築することで収益性の改善を図っていく。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《FA》

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