アールシーコアCORPORATE RESEARCH(16/16):14年度は最高益連続更新、営業利益率も中期計画に肉薄か

2013年6月21日 19:06


*19:06JST アールシーコアCORPORATE RESEARCH(16/16):14年度は最高益連続更新、営業利益率も中期計画に肉薄か

■業績動向

◆長期の業績トレンド

アールシーコア<7837>の長期業績トレンドは下図の通り。総じて売上は増加傾向を辿っており、事業拡大が順調に進んでいることが確認できる。創業来、減収となった局面は3回しかなく、それらはいずれも、バブル景気の崩壊(1993年度)、ITバブルの崩壊(2001年度)、リーマンショック(2008~2009年度)を背景とする事業環境の悪化に起因するもの。リーマンショック時には販社の広告抑制といった要因の影響も確かにあるが、概して減収局面はいずれも基本的にマクロ要因に呑み込まれたものと位置づけることができる。マクロ要因が一巡してくれば、巡航軌道に回帰していることを見ると、ミクロ的には同社商品の魅力やその販売戦略はうまく奏功していることが確認できよう。会社側は2013年度で、売上が2期連続で過去最高を更新するとの計画にある。


◆利益を決めるポイントは、売上、販管費の動向と・・・

営業利益面でも高水準を維持。2004年度以降、概ね5~7億円のレンジでの推移となっており(2008~2009年度のリーマンショック時の低迷局面は除く)、2012年度は過去最高であった2000年度の7.4億円に肉薄する6.9億円にまで達している。ただし、売上動向に比べて変化が激しいのは、同時にコストも増加傾向にあるため。業容拡大に伴う人件費の上昇や新商品開発などを含めての広告宣伝・販売促進費用の拡大は恒常的に発生しており、売上拡大ピッチ次第ではこれが利益を圧迫してしまう構造となっている。リーマンショック後には緊急回避的に大幅な販管費の削減がなされているが、ファンダメンタルズの回復、攻めの事業展開に伴って増加基調に回帰している。当然、これらは事業拡大のためには避けられない「投資」である一方、野放図な拡大は許されないことも確か。拡大戦略の中で如何に経費を抑制し、費用対効果を引き上げていくかの手腕は、かつて以上に重要性を増してきている。


◆・・・為替の展開も無視はできない

また、実は為替も大きく影響している。これは、ログハウスなどは輸入材料を使っている部分が大きいことに拠る。円安局面では輸入価格(売上原価)の上昇に、円高ではその逆に作用するためである。実際、粗利益率(売上総利益率)は、為替動向と高い相関性をもって推移していることが確認できよう。会社側も年間1円の円高(対米ドル、ユーロ、加ドル)で概ね1,000万円程度の利益増加影響があることを明らかにしている。ただし、近年はより保守的な為替予約などでそういった急な為替変動リスクを抑制。さらに、かつてに比べると輸入材料の使用比率が低下していることもあり、この傾向は将来徐々に薄れていくものと思われる。


◆2012年度決算概要:売上は過去最高を更新。コスト増も急ながら、販社の好調で吸収

2012年度の決算は、売上が前年比7.8億円(8.3%)増の102億円、営業利益は0.3億円(3.8%)増の6.9億円となった。増益を牽引したのは、2期連続で過去最高となった成約高(11%増)をテコとした増収効果。円安によるコストアップはあったものの、数量増による効率改善もあり、粗利率は0.3%ptの上昇を確保できた。これにより、粗利益は3.0億円(9.2%)増の35.4億円を達成。粗利ベースでは2001年度以降での最高を連続更新している。ただし、同時に販売管理費も上昇。従業員数の増加などから人件費負担が拡大したうえ、エスクロー制度の管理費用や藤沢展示場の償却負担が発生したため、営業利益は0.3億円の小幅増加にとどまった。営業利益率は販管費増が響き、再び7%を割り込むこととなっている。なお、当期利益は33%増の4.0億円。こちらは一足早く過去最高利益の更新となった。配当は業績拡大を受けて40%増の年28円とする予定。

セグメント別には、販社部門が20.4億円の営業利益を計上。前年比では2.8億円の増益となり、全社ベースでの営業増益の牽引役となった。また、BP部門も黒字転換となり、この部門でも0.5億円の営業増益を達成している。一方、スクエア部門は、キット販売の減少などから売上が微減となったうえ、藤沢展示場開設の初期費用や償却増が重石となり、0.9億円の減益。人件費やエスクロー制度費用が嵩んだ全社費用も増加し、販社やBP部門の増益分を大きく減殺させる結果となった。総じて、コスト増を販社の好調が吸収する構図となっている。


◆2013年度決算見通し:史上最高益を更新へ。ただし、消費税引き上げ前の駆け込み需要は攪乱要因

2013年度については、売上で20億円(19%)増の122億円、営業利益は1.6億円(24%)増の8.5億円を予想。史上最高益の更新となる見通し。成約棟数前提は12%増の1,150棟と置いた。大幅増収となるのは、多額の受注残が順次消化されてくるのに加え、藤沢展示場効果が通年でフル寄与する、消費税引き上げ前の駆け込み需要がある、と予想されるため。特に、完工のタイミングを問わず消費税が据え置かれる上期にはかなりの受注が集中するものと想定する。セグメント別には、スクエア、販社、ともに10億円の増収を見込む。

一方、損益的には販管費の上昇が継続。円安による仕入れ原価の上昇もあり、売上が20億円膨らむのに対しに、営業増益額は1.6億円と、やや小幅なものにとどまる見通し。販管費は、藤沢展示場要員をはじめ、業容拡大に併せた人員増がコスト負担となるうえ、減価償却費、広告宣伝費、新商品開発費なども引き続き増加。3.0億円程度の利益圧迫要因になると予想する。予想営業利益率は7.4%。なお、粗利率は32.8%と想定している。円安の影響を受け、前年比では1.8%pt悪化するとの前提を置いた。配当に関して会社側は、一株あたり40円に増配を予定している。

セグメント別には、主力の販社部門で2.1億円の営業増益を予想。スクエア部門も藤沢効果のフル寄与から1.5億円の営業増益を見込んだ。BP部門、北米部門もテコ入れ強化から0.6億円改善し、共に黒字計上を想定している。一方、販管費など全社部門の共通経費は人件費、減価償却費を中心に2.7億円のコストアップを予想。上記各セグメントの増益分を大幅に減殺すると想定する。

ちなみに、会社側の見通しは売上が127億円、営業利益は8.9億円。成約棟数は1,200棟としている。この見通しに対して、上記見通しはやや保守的な見方となるが、これは、多額の契約残による施工の遅れを慎重に見たことが主因。また、円安進行による原価の上昇、消費税前の駆け込み需要についても、下期には一旦その反動減があるとのスタンスを採ったこともその一因である。消費税引き上げ前後の顧客の行動は現時点では全く合理的な予想は不可能ながら、現時点では保守的なスタンスを採るべきと判断した。


◆2014年度見通し:最高益を連続更新し、営業利益は創業来の10億円を突破へ。営業利益率も中期計画目標に肉薄しよう

2014年度については、売上で18億円(15%)増の140億円、営業利益は2.5億円(29%)増の11億円を予想する。成約棟数前提は13%増の1,300棟とした。駆け込み需要という特殊要因のある2013年度と比較して、同程度の増収幅ピッチの予想するのは、その先にもう一段の消費税増税が控えているため。2013年度下期には一旦駆け込みの反動を想定するが、2014年度には早くも次の増税を見越しての駆け込みが始まるとした。同時に、2013年度中にスタートが予定されている4展示場が通期でフル寄与することも、増収ピッチ維持の主たる要因となろう。

損益的にはこの増収効果をテコに大幅増益を予想。営業利益は創業来初の10億円台を突破しよう。人件費や広告宣伝費など販管費の上昇はまだ続こうが、増収効果で吸収する見通し。営業利益率は7.9%と、中期目標のターゲットに肉薄するものと予想している。セグメント別では、引き続き、スクエアと販社が増益の牽引役を担おう。特に、拠点の増える販社部門で大きい貢献を想定した。なお、配当は、過去10年間の平均配当性向(30%)を前提に、10円増の年50円を予想する(自己資本配当比率では約4.7%に相当)。


◆主たるリスクは4点

主たるリスク要因としては、外的要因として、消費税の影響をまず挙げる。特に、2段階の税率引き上げとなる今回は、税率引き上げ前の駆け込みの動向やその後の反動のインパクトについて、過去の経験が参考となる部分は大きくない。これらに合理的な予測ができない点は大きなリスクであることに異論はあるまい。

それに加え、アールシーコアの内的要因リスクとしては、(1)広告宣伝費などの先行投資に伴う販管費の増大をどこまで抑制できるか、(2)増加する営業人員のスキルをきちんと維持できるかどうか、(3)大きく積み上がった契約残高の順調な消化を実現できるか、といった点を挙げる。直近までの受注そのものは順調であるため、これらのハンドリング如何にかかわらず、当面の業績は堅調を維持できる可能性は大きい。しかし、ここでの対応次第では、2007~2008年度にあった業績低迷を繰り返してしまうことにも繋がりかねない点は要注意であろう。


株式会社エヌ・ジー・アイ・コンサルティング
長井 亨《FA》

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