中国:金融システム不安強まる、短期金利の急騰で不穏なうわさも
2013年6月21日 10:24
*10:24JST 中国:金融システム不安強まる、短期金利の急騰で不穏なうわさも
中国で金融システム不安が強まっている。20日には翌日物の上海銀行間取引金利(SHIBOR)が13.4440%と前日の7%台から一気に跳ね上がり、過去最高水準に達した。また、7日物のレポ金利は一時28%まで急騰したとの報道も。しかしながら中国人民銀行(中央銀行)は依然として資金供給を絞っており、銀行の資金繰りへの影響が懸念されている。
中間期末に当たることや人民銀の政策方針の影響などを受け、中国の銀行間市場では流動性がひっ迫している。人民銀は不動産バブルや「影の銀行(シャドーバンキング)」問題への対策として資金供給を絞っているといい、20日には中央銀行手形の発行で市場から20億元(約300億円)の資金を吸収している。
市場が混乱する中で、さまざまなうわさも飛び交っている状況だ。20日夜には、4大国有銀行の一角である中国銀行が銀行間市場で支払い遅延を起こしたとのうわさが浮上。中国銀行は即座にこれを否定した。このほか、「人民銀が中国工商銀行に対して500億元を供給した」「人民銀が4000億元を市場に供給した」などとも報じられている。
ブルームバーグによると、工商銀の広報担当者はこの報道に対してコメントを差し控えた。一方、香港経済日報などによれば、工商銀は報道を否定したと報じられている。また、人民銀は4000億元供給とのうわさを否定している。《NT》