ネットイヤー Research Memo(3):インターネット技術を活用したマーケティング支援事業を展開

2013年6月17日 17:25


*17:25JST ネットイヤー Research Memo(3):インターネット技術を活用したマーケティング支援事業を展開

■会社概要

(2)事業概要

ネットイヤーグループ<3622>の事業は、インターネット技術を活用したマーケティング支援事業が主となるが、最近では「デジタルマーケティング」という言葉が定着したため、まさにデジタルマーケティングを統合的に展開している企業と定義できる。同社では、デジタルマーケティングを広義にとらえ、これを総合的また統合的に支援している。具体的には、企業活動において自社Webサイトを中心に、既存メディアや営業、コールセンター、店舗などと連携させるマーケティング手法で、企業や自治体などのクライアントに対して、こうした新たなデジタルマーケティング戦略を提案、実践していくことで、クライアントのブランド力向上や売上成長、業務変革の推進などの成果を導いていくサービスとなる。

2000年以降、インターネット時代に入り、特にここ数年は個人におけるスマートフォンの普及やFacebook、Twitterなどソーシャルメディアの拡大によって、個人の消費行動が変わってきただけでなく、ときには「アラブの春」にみられたように国の政治体制を覆すほどの影響力をインターネットが持つようになってきている。企業活動においてはこうしたインターネット上で飛び交う口コミなども含めたビッグデータを効率的に収集・分析することで、売上高の拡大だけでなく、顧客満足度の向上にも資することが可能となるなど、マーケティング戦略上でインターネット活用の重要性は年々増してきていると言える。特に同社の主力顧客先である大企業においては、部門が多岐に渡っていることから、こうした各部門を横断して会社全体としてのWeb戦略をまとめ、各部門間の調整を行い、プロジェクトを管理する「プロジェクトマネジメントオフィス」のニーズが増えてきており、同社がその役割の一部を担っているとも言える。

具体的なサービスとしては、企業のブランディングや広報宣伝、販売促進、Eコマース、カスタマーサポート、データ分析といった幅広い領域において、インターネット技術を活用した統合的なマーケティング手法の提案と実践(インターネット情報の収集・分析、Webサイトの制作・運用、コンサルティングなど)を行っている。

このため、サービスはクライアントごとのカスタムサービスとなる。プロジェクト1件ごとに想定される開発費用を算出し、一定の粗利率を加味して受注見積額を出している。カスタムサービスであるため、開発期間や受注単価もプロジェクトごとによって様々だが、一般的に開発期間は3カ月程度、長いものでも1年程度であり、通常のシステム開発会社での開発案件と比べると期間が短い。プロジェクト管理も比較的容易であるため、開発納期が遅延することは殆ど無い。また、システム開発部分に関しては大半を外注しているため、外注比率は40%程度と比較的高めとなっている。受注単価は、少額のもので10万円から、高額のもので10,000万円まで、プロジェクトの内容に応じて様々となっている。

売上高の業種別構成比では情報通信業が約20%と高く、次いで金融、外食、電機の順となっている。ただ、業種別構成比に関しては波があるため、その時々の業界構造の変化などによって影響を受ける場合もある。例えば、金融再編ブームの時には金融業界からのニーズが増加し構成比が上昇した。現在のアクティブクライアント数は単独ベースで約150社、トライバルメディアハウスを含めると約250社となっている。最大のユーザーはKDDI<9433>で毎年400百万円以上の売上をコンスタントに計上している。また、その他の主力顧客としてはイオン銀行、キッコーマン<2801>、スターバックスコーヒージャパン<2712>、東京海上日動火災保険、三井不動産<8801>、セコム<9735>、三菱電機<6503>、ユー・エス・ジェイなどで、大企業が売上高の90%以上を占めていることも同社の特徴となっている。このうち上位顧客20社だけで売上構成比の約70%を占めている。

また、同社では収益の安定化を図るため、「social voice」シリーズなど自社開発商品の販売に注力しているほか、第3者の製品ラインアップとして米Responsys社のキャンペーン・マネジメントソフトウェアや、アクセス解析ツールとしてGoogle社の「Google Analytics」、顧客管理システムとしてSalesforce.com社の「Sales Cloud」「Service Cloud」などの販売・導入支援なども行っている。自社開発プロダクトにおいては機能の標準化を図っており、中小企業向けの販売を強化することによって、収益基盤の安定化を図ると同時に顧客層並びに事業規模の拡大を目指している。なお、営業部隊は本社に集約しており、総勢で40名ほどの体制となっている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《FA》

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