【ジャーナリスト&アナリスト水田雅展の視点】京写は値動きの軽さに注目、指標も割安、仕込んで待つところ
2013年6月16日 18:23
プリント配線板大手の京写 <6837> (JQS)の株価が調整一巡感を強めている。今期(14年3月期)の収益改善を評価して反発展開が期待されるだろう。
生産量世界トップの片面プリント配線板、および両面プリント配線板を収益柱として、実装関連事業も展開している。前期(13年3月期)は家電関連を中心に需要が低調で、固定資産減損損失も影響して減収減益だったが、需要は第4四半期(1月~3月)をボトムとして回復傾向を強めている模様だ。
今期の連結業績見通しは売上高が前期比10.1%増の165億円、営業利益が同35.5%増の7億50百万円、経常利益が同5.9%増の7億円、純利益が同58.0%増の5億円としている。自動車関連は下期から供給開始する新製品も寄与して堅調に推移する見込みだ。前期低調だった映像関連や家電関連も景気回復を追い風に上向くことが期待されるだろう。純利益は減損損失一巡も寄与する。
経営環境の変化に合わせて中期経営計画の目標値を修正し、16年3月期の売上高200億円、営業利益率6%、ROE15%以上、ROA6%以上を新たな目標値とした。重点戦略としては、LED照明関連など環境対応製品の強化、片面配線板分野での圧倒的市場シェアの獲得、海外生産の拡大、コスト低減などによる収益力強化、新製品PALAP拡販などによる新規事業確立を掲げている。
株価の動きを見ると、5月中旬に急騰した反動や市場全体の地合い悪化などで5月20日の年初来高値415円から反落し、6月7日には205円まで調整する場面があった。ただし足元では250円近辺まで戻して調整一巡感を強めている。
6月14日の終値242円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS34円88銭で算出)は7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は2.0%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS266円28銭で算出)は0.9倍近辺である。日足チャートで見ると75日移動平均線、週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなって調整一巡感を強めている。今期の収益改善や指標面の割安感に見直し余地があり、反発展開が期待されるだろう。とくに、値動きの軽いことに注目すれば下値水準は仕込んで待つところだろう。(ジャーナリスト%アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
【関連記事・情報】
・【話題】日経平均800円安の犯人は円高・ロールバック・狼狽心理を突く売り叩き(2013/06/13)
・【話題】急落相場を売方&買方の心理で読み解く(2013/06/13)