メディシス Research Memo(9):今期は営業利益、経常利益ともに最高益を更新する見通し
2013年6月13日 18:36
*18:36JST メディシス Research Memo(9):今期は営業利益、経常利益ともに最高益を更新する見通し
■業績動向
(2)2014年3月期の業績見通し
2014年3月期の会社側業績見通しは、売上高が前期比15.2%増の63,164百万円、営業利益が同18.8%増の2,432百万円、経常利益が同20.3%増の2,300百万円、当期純利益が同9.2%増の826百万円となっている。営業利益、経常利益は2011年9月期以来の最高益を更新する見通しだ。
○医薬品等ネットワーク事業
医薬品等ネットワーク事業では加盟店を前期末比217店舗増加の1,250店舗まで拡大する計画で、今期中に全国47都道府県への加盟拡大を目指していく(未進出地域:茨城、富山、高知、徳島)。また、医薬品受発注扱高に関しては前期比26.6%増の1,200億円を見込む。
なお、同事業においては2005年より続いていた三井物産との資本業務提携を5月に解消している。前述したように、提携の目的であった医薬品ネットワークの全国展開がほぼ確立され、一定の成果が得られたことが理由だ。これに伴い、三井物産が保有していた子会社エムエムネットの株式をメディカルシステムネットワーク<4350>が譲受け、また、同様に三井物産が保有していた同社の株式208万株に関しても、5月8日付で同社が1,131百万円で取得している。
また、2013年7月には関西エリアを中心とした調剤薬局大手である阪神調剤ホールディングと医薬品の仕入や流通に関する共同取組を行う合弁会社H&M(出資比率51%)を設立するなど、更なるグループ強化も進めており、2014年3月期の売上高は前期比5.7%増の2,802百万円、セグメント利益は同7.3%増の1,311百万円を計画している。
○調剤薬局事業
調剤薬局事業でも引き続き新規出店、M&Aを積極的に行っていく方針で、前期末比41店舗増の310店舗を目指していく。出店エリアは首都圏や愛知、京阪神を中心としたドミナント戦略を基本方針としている。既存店の収益回復施策として、顧客満足度向上のためのフロアコンシェルジュ制度の導入や後発医薬品比率の引き上げ(全店舗平均で数量ベース30%以上)などを中心に進めていく。
一方、コスト削減策としては間接コストの削減を進めていく。具体的には、北海道エリアの子会社コムファ(存続会社)とエムアンドスリーを4月1日付で合併したほか、関東エリアの4つの子会社(富岡調剤薬局、さつき薬局、エムエスシイ、アポファーマシー)の本部機能を2013年7月までにサンメディックに全て集約する計画としている。
また、店舗によって異なるレセプトコンピュータを使っていたものを2機種に集約することによって、グループ内の情報システム管理の効率を一段と高めていく方針だ。こうした施策によって2014年3月期の調剤薬局事業の売上高は前期比15.5%増の60,721百万円、セグメント利益は同31.1%増の2,316百万円を見込む。
○賃貸・設備関連事業、その他事業
賃貸・設備関連事業は売上高こそ前期比13.7%増の1,276百万円と2ケタ増収となるが、セグメント利益は同91.7%減の9百万円を見込んでいる。サービス付き高齢者向け住宅「ウィステリア清田」の本稼働に伴い減価償却負担が同物件だけで96百万円増加するためだ。
その他事業は特段大きな変化はなく、売上高は前期比4.5%増の263百万円、セグメント利益は同113.8%増の10百万円を見込んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《FA》