NYの視点:独GCCヒアリングがリスク要因
2013年6月11日 07:07
*07:07JST NYの視点:独GCCヒアリングがリスク要因
ドイツ連邦憲法裁判所(GCC)は現地時間11日、12日と2日間にわたり欧州中央銀行(ECB)の政策に関するヒアリングを行う。ECBによる債券購入プログラムなどが責務を超えた対応になるかどうかの調査が行われる。ウェーバー前総裁と同様、ドイツ連邦銀行のバイトマン総裁はECBメンバーの中でただ1人、再三にわたり「国債購入は貨幣の印刷による各国政府への資金調達に近く、財政の浪費やインフレのリスクを生じる」と、国債購入に強い反対姿勢を表明していた。ウェーバー前総裁は自らの主張を通すことができずに結局は辞職した。
ECBの国債購入プログラムは昨年の欧州金融市場を崩壊から救ったといっても過言ではなく、国外の投資家からのECBの評価は高い。しかし、ドイツの政治家、法律家などの間ではECBがドイツの納税者のリスクを創設し、有権者が選出した議員でさえもそれを操作することができないということが論争を呼んでいる。判決は9月の総選挙後。しかしながら、今週実施されるヒアリングが判決に向けた憲法裁の見解へのヒントとなることから注目が集まっている。
ドイツ憲法裁はECBによる国債購入プログラムを中止させる権限はない。しかし、OMT(最新の国債購入プログラム)が違憲と判断された場合、ドイツ連銀の反対にもかかわらず支援にまわったメルケル政権にとり頭の痛い問題となる。たとえ、ECBの国債購入に限度を設定するような緩やかな判決となったとしても、ECBが混乱の際に混乱を沈静化するまで国債購入を無限に実施できなくなることは欧州の金融市場に対する新たな不安要因となる。
OMTは今のところ実行されていないが、投資家の間ではバックストップとなっていることは確か。債務危機の真っ只中に出された前回の判決で、救済基金の設立などを含んだ危機への対応はドイツの憲法にのっとるものだということになった。しかし、判事はドイツの納税者に影響を与えるような決断におけるドイツ議会の権力強化を要求しており、実現するかどうかも焦点となる。
ショイブレ独財務相はヒアリングで、「欧州中央銀行(ECB)は責務の範囲で行動したと主張する」とOMTへの支持を訴える方針。ドラギECB総裁もドイツZEF紙とのインタビューで、「ECBは他の中銀に比べ国債購入額は少ない」、「ドイツの納税者のリスクは1年前に比べ著しく低下」、「ECBは諸国の支払い能力を救うためには行動しない」と国債購入プログラムを弁明した。現在のところ、法律家の間でも憲法裁がECBの権限を抑制するかどうかに関しては意見が分かれているという。万が一、ドイツ憲法を保護するための制限が引かれた場合は欧州危機に関する新たなリスクとなる。《KO》