【注目銘柄】キムラユニティーはトヨタ生産増とネット通販市場拡大が追い風、低PBRにも見直し余地

2013年4月4日 09:04

<業績&株価分析>

  キムラユニティー <9368> は、トヨタ自動車 <7203> の部品・KD包装を主力とする総合物流サービス企業で、物流請負NLS(ニューロジスティクスサービス)分野や海外展開を積極化している。ネット通販市場の拡大も追い風となり、中期的に収益拡大が期待される。

  前期(13年3月期)の連結業績見通しについては10月26日に減額修正して、売上高が前々期比2.1%増の390億円、営業利益が同2.0%増の13億10百万円、経常利益が同3.1%増の14億50百万円、純利益が同18.7%増の8億40百万円としている。トヨタ自動車の中国での減産、NLS新規事業所での生産性改善遅れ、業容拡大に伴う準備費用増加、米国子会社の収益改善遅れ、米国子会社に対する投資損失引当金積み増しなどのマイナス要因が重なった模様だ。ただし増収増益を確保する見通しだ。

  今期(14年3月期)については、トヨタ自動車の生産台数増加、NLS分野での生産性改善効果やネット通販関連の請負拡大、米国子会社の増収に伴う収益改善効果などで増収増益が期待されるだろう。中期的には、トヨタ自動車の海外生産拡大に合わせて海外展開を加速するとともに、ネット通販市場の拡大が追い風となるNSL事業で生産性改善と新規顧客開拓を強化する方針だ。なお3月19日には、保有する工場・店舗の屋根を有効活用して太陽光発電設備を設置すると発表している。

  株価の動きを見ると、水準を切り上げる展開が続き3月に入って上げ足を速めた。3月22日には977円まで上値を伸ばし、08年1月の965円を突破した。今期業績に対する期待を強める動きだろう。4月2日には地合い悪化の影響も受けて840円を付ける場面があったが、終値では888円まで戻している。4月3日の終値888円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS69円60銭で算出)は12~13倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は2.3%近辺、実績PBR(前々期実績の連結BPS1724円14銭で算出)は0.5倍近辺である。

  日足チャートで見ると25日移動平均線を割り込んだが、下げ渋り感を強めておりトレンド転換には至らないだろう。週足チャートで見ると13週移動平均線近辺から反発しており、サポートラインを確認した形だろう。今期業績に対する期待感に加えて、指標面では低PBRに見直し余地があり、07年12月以来の1000円台回復を目指す展開が期待されそうだ。(本紙シニアアナリスト・水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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