JSP:産業用包材の発泡ポリエチレンシート「ミラマット」は、底堅い需要により前年並み
2013年2月1日 09:41
■スマートフォン関連包材は需要が順調に推移したことで増収となる
JSP <7942> は31日、今期13年3月期第3四半期連結業績を発表した。
売上高732億43百万円(前年同期3.5%増)、営業利益44億60百万円(同1.5%減)、経常利益46億62百万円(同0.4%増)、純利益32億76百万円(同5.0%増)であった。
発泡プラスチック業界は、世界的なベンゼン価格の急騰によるスチレンモノマー、ポリスチレンの値上がりや内需の減少の影響を受け、厳しい環境であったが、同社グループは、新連結中期経営計画「Deepen & Grow」を策定し、グループ全体を新たな成長路線に導くべく、独自技術に基づいた付加価値の高い製品の開発・販売に注力した。
押出事業では、産業用包材の発泡ポリエチレンシート「ミラマット」は、永久帯電防止機能製品を中心とした底堅い需要により、前年並みであった。自動車部品や家電製品の通い函に用いられる発泡ポリプロピレンシート「Pボード」、ポリエチレン気泡緩衝材「キャプロン」は、需要縮小により、減収。食品用包材の発泡ポリスチレンシート「スチレンペーパー」は、前年同期並み。「ミラボード」は、産業用ポスター向け需要が底堅く推移し、販売数量は前年同期並みであったが、製品構成により減収となった。住宅用断熱材の発泡ポリスチレン押出ボード「ミラフォーム」は、省エネ住宅や震災復興による需要増により、増収。主にトラックの積載品の保護に用いられる発泡ポリエチレン押出ボード「ミラプランク」は、物流量が伸び悩み、減収となった。
ビーズ事業では、発泡ポリプロピレン「ピーブロック」は、国内では、家電向け緩衝材が伸び悩み、減収となった。スマートフォン関連包材は需要が順調に推移したことで増収。自動車関連は、第3四半期期間に入り対中輸出が減少したものの、エコカー補助金もあり、増収となった。北米では、個人消費の堅調さを背景に自動車市場が引き続き好調であったことに加え、自動車以外の需要も好調で増収となった。ブラジルでは、政府の自動車販売振興策により、売上は増加。欧州では、自動車販売の不振により減収となった。アジア地域では、高い成長率が継続し、その他のアジア諸国経済も引き続き堅調に推移した結果、自動車部品及びスマートフォン・タブレット端末関連包材の需要が好調に推移した。発泡性ポリスチレン「スチロダイア」は、建材・土木分野では売上は増加したが、水産分野では漁獲高の減少により需要が伸び悩み、また、家電用包材では、家電メーカーの海外生産移転等の影響により減収となった。ユニットバス天井材に使用されているハイブリッド成形品「スーパーブロー」は、断熱基準強化による需要増や新モデルへの採用もあり、増収となった。
その他については、一般包材は、国内では、家電市場の低迷により販売は低調。中国では、家電メーカー等の生産調整の影響が一部にあったものの、IT家電包材の需要が底堅く推移し、売上は前年同期並みであった。
その結果、事業別の業績は、押出事業は、売上高269億60百万円(同1.4%増)、営業利益20億39百万円(同7.2%減)と増収ながら減益となった。ビーズ事業は、売上高420億60百万円(同5.6%増)、営業利益27億55百万円(同3.2%増)と増収増益。その他の売上高は、42億22百万円(同3.2%減)、営業利益31百万円(同期の営業利益は1百万円)と減収ながら大幅増益となった。
第3四半期連結業績はほぼ前年同期を上回り堅調に推移していることから通期連結業績予想は当初予想を据え置いている。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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