【アナリストの眼】株価急動意の稲葉製作所、メガソーラーで電力販売事業参入を評価

2012年12月20日 10:35

<業績&株価分析>

  稲葉製作所 <3421> は鋼製物置とオフィス家具を主力とし、メガソーラーによる電力販売事業への参入も発表している。12月14日に今期(13年7月期)第2四半期累計(12年8月~13年1月期)および通期見通しの増額修正を発表した。

  第1四半期(8~10月期)の連結業績は、売上高が前年同期比8.4%増収で、営業利益は1.77億円、経常利益は2.15億円、純利益は0.99億円となり、いずれも黒字化した。震災復興需要などで主力の鋼製物置が好調に推移し、鋼材価格が想定以上に低位安定したことも営業損益改善に繋がった模様だ。

  通期の見通しについては、売上高を前期比2.3%増の291億円で据え置いたが、営業利益を1.6億円増額して同49.1%増の11.6億円、経常利益を1.4億円増額して同38.2%増の13.4億円、純利益を0.3億円増額して同2.1倍の7.1億円とした。鋼製物置は防災関連、オフィス家具は首都圏での企業の移転関連などを背景として、いずれも需要が高水準の模様である。利益面ではコスト削減効果に加えて、鋼材価格の低位安定が想定以上にプラス要因となる模様だ。第2四半期累計の増額修正幅(売上高5億円増額、営業利益4.6億円増額、経常利益4.5億円増額、純利益2.4億円増額)に比べると、下期を保守的に見ている模様であり、再度の増額の可能性が高いだろう。

  株価の動きを見ると、11月下旬に1000円台を回復し、さらに今期業績見通し増額修正を好感して12月17日に1098円まで上昇する場面があった。19日の終値1073円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円81銭で算出)は25~26倍近辺、予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は1.5%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1879円07銭で算出)は0.6倍近辺となる。

  日足チャートで見ると25日移動平均線を回復して上伸し、強基調への転換を鮮明にしている。また週足チャートで見ても26週移動平均線を突破して上伸し、1000円近辺の短期ボックス展開から上放れる形となった。今期業績見通しに再増額の可能性が高く、好業績見通しを評価して7月5日の年初来高値1118円の突破が視野に入るだろう。上値追いの展開も期待されそうだ(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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