【アナリストの眼】アールテック・ウエノに注目したい、「アミティーザ」が好展開

2012年12月20日 09:16

<業績&株価分析>

  創薬ベンチャーのアールテック・ウエノ <4573> (JQS)に注目したい。緑内障・高眼圧症治療レスキュラ点眼薬の製造販売、米スキャンポ社の便秘症治療薬アミティーザの受託製造を展開し、ドライアイ治療薬やアトピー性皮膚炎治療薬などの研究開発を進めている。

  今期(13年3月期)業績(非連結)見通しは売上高が前期比9.4%増、営業利益が同41.9%減、経常利益が同41.9%減、純利益が同40.4%減としている。レスキュラ点眼薬が薬価改定の影響を受けることに加えて、研究開発費増加が減益要因となる模様だ。通期会社予想に対する第2四半期累計(4~9月期)の進捗率は、売上高が41.4%、営業利益が49.5%、経常利益が48.5%、純利益が51.9%であり、概ね順調な水準だろう。

  米スキャンポ社はアミティーザに関して、7月に日本での慢性便秘症の製造販売承認取得、米国での腸機能障害治療薬の追加新薬申請、9月に英国での製造販売承認取得、そして11月に日本での販売開始を発表している。また12月19日には、米スキャンポ社が米国食品医薬品局(FDA)からレスキュラ点眼液の追加新薬申請の承認を受けたと発表している。販売地域や適応の拡大が来期(14年3月期)収益に本格寄与することが期待されるだろう。

  なお自己株式取得(取得株式総数の上限2000株、取得価額総額の上限3億円、取得期間12年11月16日~13年2月16日)については、12月11日時点で累計取得株式総数が2000株に達して終了した。

  株価の動きを見ると、11月12日の自己株式取得発表を好感する形で動意付き、12月12日の年初来高値11万9800円まで急騰した。その後一旦は利益確定売りなどで10万円を割り込む場面もあったが、19日には急反発している。19日の終値10万8500円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS4115円73銭で算出)は26倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間2000円で算出)は1.8%近辺、そして実績PBR(前期実績のBPS8万2230円44銭で算出)は1.3倍近辺となる。

  日足チャートで見ると、25日移動平均線近辺から反発して強基調を継続する形となった。週足チャートで見るとやや過熱感を残しているが、19日に急反発して高値を窺う構えのようだ。中期的な収益拡大期待も支援材料として上値追いの展開が期待されるだろう。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

【関連記事・情報】
【編集長の視点】直近IPOのIBJ3連騰、期末配当実施・記念増配で人気に拍車(2012/12/18)
【今日の言葉】年収2100万円と8400万円の攻防(2012/12/18)
【アナリストの眼】市場調査最大手のインテージ株価は好業績で2000円台へ(2012/12/18)
【株式評論家の視点】大林組は大もみ離れへ躍進、買い残が急減し戻り売りの圧迫は皆無(2012/12/18)

関連記事

最新記事