【アナリストの眼】パイプドビッツの今2月期は2ケタの増収増益、株価見直しへ

2012年12月17日 10:00

<業績&株価分析>

 パイプドビッツ <3831> (東マ)は、DBプラットフォーム「SPIRAL」によるアプリケーションサービス事業などを展開している。株価は高値圏から反落して調整局面だが、今期(13年2月期)好業績見通しであり、調整一巡して高値圏への回帰が期待されるだろう。

 今期業績(非連結)の見通しは、売上高が前期比28.5%増の23億円、営業利益が同40.5%増の3.2億円、経常利益が同41.2%増の3.2億円、純利益が同35.5%増の1.89億円と大幅増収増益見込みである。主力の情報資産プラットフォーム事業は「SPIRAL」の新バージョン投入も寄与して、有効アカウント数(6カ月以上継続使用)が増加基調である。メディアストラテジー事業も、アフィリエイト広告の拡販などが寄与して好調な模様である。第2四半期累計(3~9月期)が計画を上回ったことも考慮すれば、通期見通し上振れの可能性もあるだろう。

 なお12月14日に、タイムデザインの株式取得の中止を発表した。11月14日に同社主要株主と基本合意書を締結したが、デューデリジェンスの結果を踏まえて慎重に検討し、株式取得中止を決定したとしている。

 株価の動きを見ると、今期好業績見通し、AKB48関連、衆院解散・総選挙関連などが材料視され、11月14日に年初来高値となる945円まで上昇した。その後は反落して足元では700円台を割り込んでいる。利益確定売りが優勢となって調整局面のようだ。12月14日の終値684円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS25円03銭で算出)は27~28倍近辺、実績PBR(前期実績のBPS204円57銭で算出)は3.3倍近辺となる。

 やや荒い値動きも目立つが、日足チャートで見ると25日移動平均線を割り込んで調整局面のようだ。ただし25日移動平均線に対するマイナス乖離率が10%を超え、短期的には売られ過ぎ感を強めている。また週足チャートで見るとサポートラインの13週移動平均線近辺まで調整しており、反発のタイミングが接近しているようだ。今期好業績見通しや上振れの可能性に再評価の余地があり、調整一巡して高値圏への回帰が期待されるだろう。12月28日予定の第3四半期累計(3~11月期)決算発表が接近して、思惑が広がる可能性もありそうだ。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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