三菱製紙:放射性セシウムを含む焼却飛灰を処理する実用化試験で、指定廃棄物量を大幅減容化
2012年12月16日 20:14
■注目銘柄としてピーエス三菱が浮上
三菱製紙 <3864> は14日、開発した磁性吸着剤(CS-Catch)とMSエンジニアリング(大阪市)の開発した磁気分離装置を用いて、放射性セシウムを含む焼却飛灰を処理する実用化試験を、福島県南相馬市にてプラントレベルで行った。
今回の実証試験により、効率的に焼却飛灰を処理して、指定廃棄物の量を大幅に減容化できることを実証した。今後はピーエス三菱 <1871> 、三菱製紙エンジニアリング、パーム設計、福島大学などで構成する『飛灰除染プロジェクト』を母体として、安全に焼却飛灰を除染できるよう、また分離された放射性セシウムを完全に遮蔽保存できるようにシステム全体の完成を目指すとしている。
同社は、今年5月17日に「磁性吸着剤を用いた放射能除染システム」について公表したが、その後MSエンジニアリングの関係会社である仁木工芸(大阪市高石市、仁木丈文社長)が福島県相双地方振興局へ届出を提出し、審査の結果、適正な試験研究であるとの結果を得て、福島県南相馬市にて焼却飛灰を除染する実証プラントを建設し(焼却飛灰3トン/日を処理)、実際に放射性セシウムを含む焼却飛灰から、放射性セシウムを除去し、吸着剤へ移行させる除染試験を行った。今回の試験により、焼却飛灰3トンに含まれる放射性セシウムを50kgの磁性吸着剤へ移行させることができた。この結果、法令上埋め立てなどが可能で取り扱いの容易な焼却飛灰に変えられたことが確認され、高濃度の放射性物質に汚染された指定廃棄物の焼却飛灰を大幅に減容化できる可能性が示された。
同社によると、現在、東北地方および茨城県、千葉県などの焼却場(クリーンセンター)に大量に蓄積されている指定廃棄物(放射能濃度が8千ベクレル/kgを超える廃棄物)となった焼却灰は6万3千トン(平成24年11月2日、環境省の指定廃棄物処理情報サイト)にのぼり、日々増加中。
指定廃棄物は国が責任を持って処理することになっているが、焼却飛灰中の放射性セシウムは非常に水に溶け出しやすく、埋め立て処理をすると二次災害を引き起こしかねないため、遮蔽密封して保管するなど、厳重な飛散・流出防止対策が求められているという。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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