Jトラストグループ2社、相次いで保証業務を拡大

2012年12月10日 16:23

■日本保証・愛媛銀行、KCカード・南日本銀行と提携開始

  金融事業中心に不動産やアミューズメント事業などを展開するホールディングカンパニー Jトラスト <8508> (大2)は、保証業務の飛躍的拡大に向けた施策を展開する方針を明らかにしたが、このたび、子会社2社により、具体的取組をスタートさせた。

  「日本保証」は愛媛銀行 <8541> (東1)と提携して、同行の「ひめぎんスマートカードローン」の保証業務の取り扱いを開始、また「KCカード」は南日本銀行 <8554> (福・1)のローン商品「なんぎんカードローンWAZZECA UP」(注1)および「なんぎんフリーローンHAE UP」(注2)の保証業務を行うことで提携し業務を開始した。

■独自スキームにオファー急増~来期中に九州各県1行の提携先を確保

  同社が提供する保証業務は、独自のスキームで構成され各方面から注目を集めており、地方銀行をはじめとして各行からのオファーが相次いでいる様子だが、今回の提携具体化で、同スキームを活用する金融機関の増加に拍車がかかりそうだ。

  同社が先般開催した決算説明会で藤澤信義社長は、「来期中には九州各県に1行は提携先を確保し、信用保証残高を積み上げていく」と自信を持って説明したが、逸早く2行との保証業務提携が具現化したことを市場は好感している。

  また、Jトラストは、投資効率を考えたM&Aや戦略的な既存事業の拡大など積極的な事業展開に加え、リストラが相次ぐ昨今「雇用を最大限確保することは社会的使命だ」という信念に基づき、グループ内の人事政策、周到に準備された広報・IR戦略など、社会性、透明性に配慮した経営姿勢も高く評価されており、同社の動向が注目される。

■愛媛銀のケース:申込み・・スマホなど多様化、幅広いニーズに迅速対応

  「ひめぎんスマートカードローン」は、同行が一般消費者向けに提供する無担保で融資(上限300万円)を行うカードローンであるが、今回の日本保証との提携により、同社がこれまでノンバンク事業で培ってきた独自の与信審査ノウハウを使った保証業務を活用し、同行開発の利便性高いカードローン商品を融合させたことで、幅広い資金ニーズに迅速に対応できるのが特徴となっている。

  また、申し込み方法について、従来型の電話、郵送、FAXによる申し込みだけでなく、インターネット、モバイル、スマートフォンからの申し込みも可能になるため、一段と多様な資金ニーズに積極的に対応できることから、両社の業務領域拡大に繋がるものと期待している。

  なお、融資限度額は両社の審査により変動する。

■南日本銀のケース:相次ぐ提携で保証業務事業の拡大に拍車がかかる

  南日本銀行が貸し出しを行う際に発生する与信リスクをKCカードが引き受ける方式であり、同行にとっては、より幅広い顧客への銀行ローンサービスの提供が可能となるところにメリットがある。

  (注1)「なんぎんカードローンWAZZECA UP」:限度額500万円以内、限度額の範囲内で繰り返し利用できるカードローン。

  (注2)「なんぎんフリーローンHAE UP」:資金使途が広い多目的ローンで、即日融資が可能な商品。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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