【アナリストの眼】資生堂株価はトレンド好転、足元単月売上も好展開、高利回り
2012年12月7日 11:28
<業績&株価分析>
資生堂 <4911> の株価は、トレンド好転して出直り歩調を鮮明にしている。今期(13年3月期)連結業績見通しの下方修正がアク抜けに繋がり、中国リスクに対する警戒感も後退しているようだ。
通期の連結業績見通しにつては、10月31日の第2四半期累計(4~9月期)業績の発表時に下方修正した。第2四半期累計での国内売上が低調だったことに加えて、中国の反日デモの影響などがマイナス要因として、売上高を前期比2.6%増、営業利益を同2.2%増、経常利益を同1.4%増として、増収増益幅が前回予想に比べて縮小する見込みとなった。純利益については税金費用の影響で同51.6%増を据え置いた。通期の想定為替レートについては1米ドル=80円、1ユーロ=100円、1中国人民元=12.5円としている。足元の円安メリットもありそうだ。
下期の施策として、国内では店頭売り上げの拡大を目指し、海外では「グローバルメガブランド」戦略の6ブランドの育成を目指すとしている。またコスト構造改革の前倒しに取り組むとしている。月次売上動向を見ると、国内化粧品販売会社の売上高は10月単月が前年比14%増加、4月~10月累計が同3%減少となっている。10月はカウンセリング化粧品、セルフ化粧品、トイレタリーすべてのカテゴリーが増収となり、回復傾向の模様だ。
株価の動きを見ると、10月11日の年初来安値938円をボトムとして反発に転じた。11月以降はほぼ一本調子に上昇して、11月30日には戻り高値となる1198円まで上昇する場面があった。通期業績見通しの下方修正がアク抜けに繋がり、中国リスクに対する警戒感の後退、市場全体の地合い改善なども追い風のようだ。12月6日の終値1169円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS55円28銭で算出)は21~22倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は4.2%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS729円89銭で算出)は1.6倍近辺である。
日足チャートで見ると、25日移動平均線回復後はほぼ一本調子に上伸し、強基調の展開となっている。また週足チャートで見ても抵抗線だった13週移動平均線、そして26週移動平均線を一気に突破して、トレンド好転を鮮明にしている。下期以降の収益改善期待や高配当利回りも支援材料として、出直り本格化が期待されるだろう。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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