【近況リポート】セーラー万年筆:通期業績:営業利益、黒字転換へ指呼の間
2012年12月7日 11:25
■収益改善、財務体質強化に注力、3Qの成果著しい
セーラー万年筆 <7992> の、12年12月期第3四半期連結業績は前年同期に比べ1.3%の増収に止まったが、収益面では大きく改善した。
同社業績は、前々期、前期と損失計上するなど厳しい状況下にあるが、当期は第100期に当たることもあり、収益改善並びに、財務体質の強化に注力した施策を強力に進めている。
第4四半期も引き続き好調を維持していると見られ、通期営業利益確保は指呼の間に迫っている。
第3四半期に見せた収益改善については、前期末に立ち上げた原価低減プロジェクトを全社挙げて推進する過程で、6月に「構造改革実行委員会議」を発足、原価低減、販管費削減に重点を置いて取組み、不採算製品を思い切って改廃するなど、利益を生む商品に注力した営業展開を徹底するなど利益率の向上を図った。
また、財務体質の強化並びに新規事業への投資に備え、11月末に資金調達をおこなった。
【今後の展望と戦略】
■新たなマーケットの創造に向け多面的営業展開
筆記用具業界を取り巻く環境は、消費需要抑制が続き盛り上がりに欠ける状況に加え、少子高齢化の定着など市場規模の縮小傾向が続く構造的課題を抱えている。
同社は、こうした状況を踏まえ、今後の中長期的な展望を視野に、新たなマーケットの創造に向けた施策に取り組んでいるが、営業面では、新商品の積極的投入、ロボット事業の海外展開などを中核にした戦略展開で局面打開を目指している。
■新事業領域"デジタルアーカイブ"事業、などへ進出
具体的施策として、1)新素材マイカルタ万年筆・竹塗り万年筆など同社ならではの高付加価値商品の開発、2)新たなターゲット開拓へ向けたa)アロマペンディフューザー「リロマ」、b)3サイズの芯が使い分けられるボールペン「就活ペン」など、新製品の開発、c)電子文具の分野では、需要が増加している音声ペンを使った「観光ガイド」(国内各地での多言語音声ガイド)の他、用途、目的に合わせた「音声ペンと冊子」の需要拡大に取り組む。
特に、電子文具分野での需要は広がりを見せ、ホテル・量販店・交通パトロールなど、外国人対応、案内の効率化に採用されている他、介護・リハビリ会話冊子(おしゃべりボード・50音ボード)など、業種を問わず「顧客対応・応対」ツールとしての導入が増えている。
さらに、大手出版社(数社)との協業で児童の英語学習教材分野へ進出など、営業の多面的な展開による成果に期待している。
今期以降の新しい事業領域としては、既にデジタルコンテンツ関連事業への参入を決めており、デジタルアーカイブ事業としてのシステム開発、並びに「デジタル端末用高性能タッチペン」の開発を進める。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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