【アナリストの眼】イワキ株価、下値固め完了、メーカー機能も持つ好内容に見直し
2012年12月7日 10:43
<業績&株価分析>
医薬品・医薬品原料などを扱う商社のイワキ <8095> に注目したい。株価は下値固めが完了して、底値圏でのボックス展開から上伸の兆しを見せている。
医薬品事業(医療用・一般用医薬品)、医薬品原料・香粧品原料事業、食品原料・機能性食品事業、化成品事業(メッキ薬品、農薬原料、医薬中間体)などを展開する商社で、グループ内にメーカー機能も有している。収益柱のジェネリック医薬品原料の市場が拡大しているため、中期的な成長が期待される。
今期(12年11月期)連結業績の見通しは、売上高が前期比1.5%減、営業利益が同9.5%減、経常利益が同11.3%減、純利益が同57.1%減としている。薬価改定や景気減速の影響で減収営業減益の見込みであり、純利益については負ののれん発生益一巡も影響する模様だ。ただし通期会社予想に対する第3四半期累計(11年12月~12年8月期)の進捗率は、売上高が72.5%、営業利益が73.9%、経常利益が77.0%、そして純利益が64.2%と概ね順調な水準であり、下振れの可能性は小さいだろう。
株価の動きを見ると、11月14日に年初来安値となる158円を付ける場面があったが、9月以降は概ね安値圏の160円~170円近辺のレンジでボックス展開のようだ。ただし足元では170円近辺で推移し、レンジ上放れの兆しを見せている。来期(13年11月期)の業績改善に期待する動きのようだ。12月6日の終値169円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS20円72銭で算出)は8~9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間6円で算出)は3.5%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS450円96銭で算出)は0.3倍台である。
週足チャートで見ると、足元では抵抗線だった26週移動平均線を突破する場面があり、160円近辺での下値固めが完了してボックスレンジからの上放れを窺う態勢のようだ。指標面の割安感に見直し余地があり、今期連結業績の発表が接近して来期の業績改善に対する期待感が高まり、出直り本格化の可能性があるだろう。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
【関連記事・情報】
・【株式評論家の視点】インフラ関連株人気に乗る栗本鉄工、需給も好転で新展開を狙う(2012/12/05)
・【アナリストの眼】TKC、クラウドサービス拡充などが寄与、株価ダブル底(2012/12/05)
・急騰銘柄を徹底予想する日刊株式投資情報新聞(メルマガ無料)好評!会員が急増中(2012/07/20)
・プロの記者が急騰銘柄を徹底予想!日刊株式投資情報新聞(無料)メルマガ登録受付中!(2012/07/20)