【編集長の視点】イオンの10月度営業収益連続プラス、小売株の注目度アップ
2012年11月28日 14:51
<マーケットトーク>
イオン <8267> は、2円高の924円と小幅続伸して寄り付いたあと、9円安と伸び悩むなど前日終値を挟みもみ合っている。前日27日大引け後に発表した10月度の営業収益が、連続プラスとなったことを評価して内需割安株買いが増勢となる一方、前日の米国市場でNYダウが、89ドル安と続落したこともあり利益確定売りも交錯している。
同社の10月度の営業収益は、4427億円と前期比8.2%と続伸した。10月1日に機能性素材を使用した「トップバリュヒートファクト」を衣料品・住居関連商品合計で過去最大の1200品目と品揃えを充実して全国約1300店で展開、月前半は気温の高い日が続き季節関連商品を中心にGMS事業が影響を受けたが、気温が低下した後半から売り上げが改善傾向を示し、電子マネー「WAON」の取扱高が、大きく伸びたことなどが寄与した。
株価は、年初来安値844円からカルフールのマレーシア事業買収報道で926円高値まで底上げ900円台固めを続けている。PERは、レンジで予想した今期純利益をベースで9~10倍台、PBRは0.7倍と下げ過ぎを示唆しており、目先売り一巡後には一段の戻りを試そう。
前日はイオンの子会社コックス <9876> (JQS)も、10月度の月次売上高を発表、既存店売上高が連続プラスとなっており、株価も、9円高の219円と急続伸している。
米国市場では、小売り株が、感謝祭後の「ブラック・フライデー」が好出足となり、クリスマス商戦への期待を高めて人気化しており、この写真相場とされる日本市場でも、イオン・グループの順調な月次売上高動向や気温の低下、さらに12月入りとともに相次いで発表される小売り各社の月次売上高動向を手掛かりに小売り株へのシフトが強まる展開も想定される。
イオンのグループ会社は、ツルハホールディングス <3391> のようにすでに10月31日に10月度売上高を発表、連続プラスとなっており、親会社の連続プラスで、ツルハHDを含めイオンクレジットサービス <8570> 、イオンディライト <9787> 、ミニストップ <9946> などグループ会社への注目度はアップしそうだ。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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