【編集長の視点】特種東海はセシウム8割吸着除染シート発売で反発、関連株波及も
2012年10月11日 14:45
<マーケットトーク>
特種東海製紙 <3708> は、3円高の196円と3日ぶりに反発している。前日10日大引け後に今年4月16日に開発を発表した放射性物質を吸着するゼオライト不織布『TT-除染シートSC』の発売を発表、原発事故関連の材料株人気を再燃させ下げ過ぎ訂正買いが先行している。
同社の反発で、原発事故の除染関連株が、新たな材料株セクターとして逆行高するとの思惑が高まりそうで、とくに同社株と同様に値ごろが極低位にある昭和電工 <4004> 、EMCOMホールディングス <7954> (JQS)などに強く連想が働く展開も見込まれる。きょう寄り付きの昭電工は、1円高の113円と3日ぶりに反発し、EMCOMは、3円安の44円と続落している。
特種製紙が発売したゼオライト不織布は、不織布と不織布の間にゼオライトを均一に固着させたもので、ゼオライトを単体で使用した場合に比べて約80%のセシウム吸着能力を維持することが実証試験で確認されており、原発事故で飛散した放射性セシウムの回収、拡散防止への利用が期待されている。
同不織布の発売で、土壌や汚染水の放射性セシウムを除去するシートやフィルター、さらに中間貯蔵施設やガレキ焼却灰の最終処分場でのバックアップシートとしての応用を見込んでいる。
放射性物質の除汚関連では、昭電工は、今年7月に東北大学の三村均教授の研究グループと高濃度の放射性廃液の残さを焼き固める新技術の開発が報道され、EMCOMも、今年6月に日本大学工学部との共同研究で、汚染土壌を減容化、除染土壌を再利用化する汚染土壌処理システムの国際特許出願手続きの完了を発表した。
昭電工の前日の株価は、年初来安値111円まで売られ、EMCOMも40円台で底もみしているだけに、内外の株価が波乱展開、下ぶれリスクを強める相場環境下、特種東海とともに極低位値ごろ材料株思惑が高まりそうだ。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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