【株価診断】コマツ、中国問題では08年の株価急落がよぎる、新規買い見送り

2012年9月21日 16:17

  コマツ <6301> =売買単位100株、週末(21日)の終値は前週末比88円安の1593円。今週は1562円まで下げた。去る6日につけた年初来安値1463円と比べると底堅いとは言えるものの、年初来高値2512円(3月19日)や、さらに中国ブームで湧いた2007年10月の高値4090円と比べると冴えない。

  業績は良い。直近10年での営業利益最高は2008年3月期の3328億5000万円。2010年3月期に営業利益670億3500万円まで沈んだものの、前3月期は2563億4300万円に回復、今期(2013年3月期)は2620億円の見通し。予想1株利益164.8円、配当は6円増配して年48円の予定。

  しかし、「足元は良くても安心できない。海外比率が8割程度と高く、ヨーロッパ信用不安はあるていど織り込んだみられるものの、中国問題はまったくといってよいほど織り込んでいない。中国ブームのあと2008年にかけての株価急落が頭をよぎる」(中堅証券)。

  去る6日に1463円で下げ止ったのは昨年10月につけた安値1449円が意識されたようだ。中国での反日暴動の収束を重ね合わせると、当面は下値に届いたとみることができるだろう。ただ、領土問題は長引く心配があり、経済関係が深刻化するようだと下値のフシを切る可能性は否定できない。

  予想PERが10倍を下回ってきたことで割安買いも予想されるものの、リスク承知で上値を買い上がる勇気はないだろう。第2四半期決算の発表は10月30日(火)の予定。決算の観測報道が出るまでには、もうしばらくの時間的余裕がありそうだ。中期スタンスの投資家は新規買いは様子を見るところで、仮に、戻る場面があれば持株があれば手をすかすのがよいだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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