【アナリストの眼】アーバネット、目黒商業用地売却、融資返済も完了、疑義注記解消
2012年9月4日 10:19
【今、この銘柄】
東京23区でマンション開発・販売を手掛けるアーバネットコーポレーション <3242> (JQS)は、当面の事業環境が良好であり収益拡大が期待される。
8月9日に発表した前期(12年6月期)業績(非連結)は、売上高が前々期比35.6%増の68億18百万円、営業利益が同94.8%増の4億61百万円、経常利益が同3.2倍の4億22百万円、純利益が同3.3倍の4億21百万円と大幅増収増益だった。主力の投資用・分譲用マンションの販売が好調だった。懸案だった目黒商業用地の売却も寄与した。目黒商業用地に関する融資返済も完了し、継続企業の前提に対する疑義の注記も解消した。
今期(13年6月期)の会社予想は、売上高が前期比4.1%増の71億円、営業利益が同55.0%増の7億15百万円、経常利益が同23.1%増の5億20百万円、純利益が同13.9%増の4億80百万円と、大幅営業増益見込みである。着工中の投資用ワンルームマンション5棟(232戸)や分譲用ファミリーマンション1棟(44戸)などの売上計上を計画し、目黒商業用地の売却完了で売上総利益率も改善する模様だ。配当は年間1000円(期末一括1000円、12年7月1日付の株式分割を考慮すると前期比増減なし)としている。
東京圏で好立地のマンション用地が減少傾向であることに注意が必要だが、年金への不安などから投資用ワンルームマンションで資産運用を検討する新規顧客層が増加し、投資用ワンルームマンションは在庫不足の状況が続いている模様だ。消費税率引き上げ前の駆け込み需要なども考慮すれば、当面の事業環境は良好であり収益拡大が期待されるだろう。
株価の動きを見ると、8月9日に乱高下する場面があったが、その後は概ね1万7000円近辺でモミ合う展開となっている。3日の終値1万6590円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS5525円88銭で算出)は3倍近辺、予想配当利回りは6%近辺、実績PBR(前期実績BPS1万6179円99銭で算出)は1倍近辺となる。
週足チャートで見ると、乱高下した8月9日に戻り高値2万円まで上昇して長い上ヒゲを付ける形になり、足元はやや調整局面のようだ。ただし26週移動平均線がサポートラインの形となり、下値を着実に切り上げている。指標面の割安感は強く、今期の好業績見通しや収益拡大期待を考慮すれば、短期調整一巡後に上値を試す可能性があるだろう。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
【関連記事・情報】
・【引け後のリリース】プロトコーポレーションが投資しやすい環境など考慮し株式分割(2012/09/04)
・【今日のチャートワンポイント:日足】日経平均、クレアHD、ヤマックスなど(2012/09/03)
・急騰銘柄を徹底予想する日刊株式投資情報新聞(メルマガ無料)好評!会員が急増中(2012/07/20)
・プロの記者が急騰銘柄を徹底予想!日刊株式投資情報新聞(無料)メルマガ登録受付中!(2012/07/20)