オリンパスが中期ビジョンを発表、テーマは「原点回帰」
2012年6月11日 12:59
オリンパスは8日、新しいオリンパス創生に向けた中期ビジョンを発表した。経営方針のテーマは「原点回帰」。新経営陣に課されたミッションとして、「(一連の不祥事によって毀損した)信頼を回復し、企業価値を向上させる」ことを掲げた。
基本戦略の一つとして事業ポートフォリオを再構築する。経営資源を「医療」、「ライフ・産業」、「映像」の3つに集中させ、収益性・将来性の観点からオリンパスでの事業継続が難しいと判断した事業については、随時、売却・縮小・撤退していく方針。
医療事業に関しては、主力の消化器内視鏡事業の基盤をさらに強化するとともに、外科事業の成長や新興国市場での販売強化に取り組む。特に新興国においては、アジア地域で22ヶ所のトレーニングセンターを開設・運営し、内視鏡医の育成と手技の普及を進める。さらに、普及価格モデルを投入し、新規顧客層の開拓を図る。主に中国やインドでの販売・サービス体制を強化していく方針。
映像事業に関しては、これまでの全方位戦略による投資効率の低下を反省し、ミラーレス一眼・高価格帯コンパクト機種への集中を進め、2013年3月期での黒字化を目指す。
子会社の整理については、すでに解散を決議したアルティス社、ニューズ・シェフ社、ヒューマラボ社の3社を2013年3月期末までに売却・清算する。また、オリンパスビジュアルコミュニケーション社も2012年11月末までに清算する。
さらに、これらの事業選択を通じた人員の最適化により、2014年3月期までに全世界で2,700人(全従業員の約7%規模)を削減する。製品ラインナップの見直しにより製造拠点も再編し、2015年3月期までに全世界30拠点の約4割を再編する。具体的には、長野地区4拠点を1拠点に統合するほか、フィリピン工場を2012年に閉鎖する。
そのほか、ガバナンス体制再整備、内部統制強化、コンプライアンス体制強化を実践することで信頼回復に努め、企業価値の向上を目指す。