世界の主要経済指標(分析と市場の反応)5月29日
2012年5月30日 09:45
【5月29日の主要経済指標と市場の反応】
■9日は、主要経済指標に対する反応は限定的、中国の景気刺激策に対する期待感で株式市場は買い優勢
29日は、中国の景気刺激策に対する期待感が世界の株式市場を下支え、米国市場では米3月S&Pケース・シラー住宅価格指数も好感された。外国為替市場ではユーロ売りが優勢だった。
≪29日 日本≫
4月有効求人倍率(季節調整値)は0.79倍となり、3月の0.76倍に比べて0.03ポイント上昇した。08年10月以来の高水準で、市場予想よりも改善したが、市場は反応薄だった。なお有効求人数は13カ月連続で増加した。
4月完全失業率(季節調整値)は4.6%となり、3月の4.5%に比べて0.1ポイント悪化した。若年層を中心に自発的離職が増加した。市場予想よりも悪化したが、求人数が増加していることも自発的離職の増加要因とされており、市場は反応薄だった。
4月家計調査で2人以上の世帯の消費支出は、物価変動の影響を除いた実質ベースで30万1948円となり前年同月比2.6%増加した。3カ月連続の増加で市場予想も上回った。東日本大震災後の落ち込みの反動増で旅行や外食が増加したこと加えて、エコカー補助金などの効果が寄与した。夏場の節電に備えてクールビズ関連の消費を前倒しする動きもあったとしている。4カ月連続の増加だったが市場は反応薄だった。勤労者世帯の収入は46万9381円となり前年同月比2.7%増加した。
4月商業販売統計(速報値)で、小売業販売額(全店ベース)は前年同月比5.8%増加の11兆4780億円となった。東日本大震災後の落ち込みの反動増に加えて、エコカー補助金効果で自動車販売が大幅増加した。4月後半からの気温上昇で春物衣料も好調だった。5カ月連続の増加だったが市場は反応薄だった。
≪29日 ユーロ圏≫
独4月輸入物価指数は前月比で0.5%下落、前年同月比で2.3%上昇となった。3月の前月比0.7%上昇、前年同月比3.1%上昇に比べて伸び率が鈍化し、市場予想も下回った。
独5月消費者物価指数(速報値)は、前年同月比で1.9%上昇、前月比で0.2%下落となった。4月の前年同月比2.1%上昇、前月比0.2%上昇に比べて、市場予想以上に鈍化した。ECB(欧州中央銀行)に対して一段の緩和余地を与える内容との見方が優勢だった。
≪29日 米国≫
米3月S&Pケース・シラー住宅価格指数は、主要20都市圏(季節調整値ベース)で前月比0.1%上昇となった。市場予想をやや下回ったが2カ月連続で上昇した。前年同月比では2.6%低下となり、2月改定値の同3.5%低下に比べてやや改善した。市場予想と同水準だったが、住宅価格の下げ止まりを示しているとして株式市場では好感された。
米5月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)は64.9となり、4月改定値の68.7(69.2から下方修正)に比べて悪化し、市場予想も下回った。3カ月連続の低下となったが、市場の反応は限定的だった。
中国国営通信の新華社は「中国政府が大規模な景気刺激策を導入する計画はない」と報じたが、米国株式市場では中国の景気刺激策に対する期待感が高まった。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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